機能性分子

細胞生物学研究の進展により,分子レベルでの生体現象の解明が急激に進んでいる.癌分野では,増殖ばかりでなく転移・浸潤,薬剤耐性,細胞周期,アポトーシス,血管新生などの分子メカニズムが次々と明らかになるにつれ,癌の悪性形質に深く関与する分子(機能性分子)が標的分子として注目されている.最近注目を集めている機能性分子としては,EGFファミリー,PDGF,IGF,FGF,HGF,VEGFなどのチロシンキナーゼ型受容体を有する分子,腫瘍血管新生に関わるVEGF,インテグリン,マトリックスメタロプロテアーゼなどの分子,そして抗癌剤耐性を制御するP−糖タンパク質に代表されるABCトランスポーターなどがある.一方,癌の悪性化への直接的関与は薄いが,癌細胞に高率に発現する分子(非機能性分子)は低分子薬剤の標的分子にはなりにくいが,抗体医薬の標的としては依然として注目すべき分子である.

Bioベンチャー 2002年7-8月号 Vol.2 No.4

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