第6回 生命の多細胞化に必要だったこと 1.ラクシャリー遺伝子というもの [分子生物学講義Web中継~生物の多様性と進化の驚異]

本WEB連載を元にした単行本が8月下旬発行予定です!詳細はコチラです.

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第6回 生命の多細胞化に必要だったこと

  • 1つの遺伝子が異なる生物でも機能する?
  • ラクシャリー遺伝子はハウスキーピング遺伝子から誕生した!
  • ・・・など,驚きの視点が満載.

1.ラクシャリー遺伝子というもの

多細胞生物の特徴

単細胞から多細胞への変化は,細胞の誕生,真核細胞の誕生に次ぐ,進化の上で第3の画期的なできごとであったと思います.多細胞化は単細胞では限界のあった,複雑な構造と機能をもてるようになり,生物としての多様な展開を可能にしました.また,多細胞生物というのは,構成細胞1つ1つが機能的にも形態的にも分化し,役割り分担していて,細胞集団全体(個体)として一定の形態的特徴をもち,個体としての機能的な統合がある,という特徴をもっています.単純にいえば,脳を作るには脳の遺伝子がいる,心臓を作るには心臓の遺伝子がいる,できた脳や心臓の働きを維持・調整するにもそれなりの遺伝子がいります.そういう遺伝子,ラクシャリー遺伝子は,単細胞のバクテリアには必要がなかったものです.ラクシャリー遺伝子を用意しなければ,多細胞化は実現しなかったと考えられます.第6回では,動物の多細胞化に必要な遺伝子をどのように用意したかについて述べることにします.

進化を進める遺伝子の変化

たくさんのラクシャリー遺伝子を準備したのは,真核生物特有のしくみの獲得によります.その前提として,細胞が格段に大きくなったこと,核というコンパートメントができたことで,たくさんの量のDNAを安定に保持できるようになったことが,すべての出発点であったと思います.遺伝子を増やす方法をまとめて紹介します.

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WEB連載大好評につき、単行本化決定! 地球誕生から46億年の軌跡を一冊に凝縮!原始の細胞からヒトが生まれるまで,生物の試行錯誤が面白くってたまらない! 豊富なイラストと親しみやすい解説で,生物が大好きな人にお勧めです.

分子生物学講義中継 番外編 生物の多様性と進化の驚異

分子生物学講義中継 番外編生物の多様性と進化の驚異

井出利憲/著

定価 4,800円+税, 2010年8月発行

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プロフィール

井出先生 写真
井出 利憲(Toshinori Ide)
東京で生まれて35年間東京で過ごし,昭和53年から平成18年まで広島大学医学部(大学院医歯薬学総合研究科)に勤め,その後2年間を広島国際大学薬学部で過ごし,平成20年からは愛媛県立医療技術大学にいます.講義録をもとにして平成14年から『分子生物学講義中継』シリーズを刊行し,最初のPart1は現在11刷に,5冊目の一番新しいPart0上巻も4刷になっています.今,シリーズ最後(多分)の,私の一番書きたかったところを執筆中です.

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