本書へお寄せいただいたご感想を掲載しております

(2022.05.17 更新 全18件掲載)

大判の本で文字が大きく、イラストも大きいので、私のような高齢者には読みやすかったです。普通の図鑑と違い、鳥の生理機能や骨格や身体機能に関する説明があり、興味深い。また、最初に「この本の使い方」で、ねらいや構成、特徴などが列記されているのも良かった。北アメリカの野鳥は日本では珍しく、稀な迷鳥が多いので、日本では見られない鳥がほとんど、そのなかで、類似の鳥との比較も解説があり、興味深い。
私は鳥好きでこの本を紹介されて興味をもち、購入したが、一般の方々が興味を持つかは分からない。イラストが大きく目立つので、手にとって面白いと感じる人もいるかも知れない。

(読者)

絵がすばらしいです。細密画ではない分、「見えているとおり」の印象があります。私自身は、薮内正幸さんの絵の信奉者なので細部よりも骨格や筋肉と羽毛との関係性を重視した動きのある絵が好きです。時折差し挟まれる鉛筆画の雰囲気も大好きです。鳥そのものは北米の種であるのに、背景に「外国っぽさ」が感じられないのも、透明感のある筆致のせいだと思います。
記述については、川上さんのポートフォリオがやはりすばらしいです。短い文章の中でよくこれだけの情報量と視野の広さを確保できるものだと感嘆しました。
本文も、著者のユーモアが心地よく、例えばミチバシリとコヨーテとダチョウとウサインボルトの対比など、どこかでネタに使ってやろうと、思わず付箋を貼りました。セジロコゲラとセジロアカゲラの実物大の対比などは、絵にしかできない表現とドヤ顔で作画している著者の姿が見えてきそうです。

(秋山幸也(相模原市立博物館))

●どんな内容?●
 私の知る限りでは、日本人が書いたこのような本は、あまり見たことがないと思います。
図鑑とはまた異なる「入門書」で、身近に見られる鳥を入口として、そこから鳥についての興味深い事柄を、多様な方面から解説して下さっています。どのようなジャンルなのかといえば、鳥類学というのが最も近いのかもしれませんが、「学」という取っ付き辛そうな言葉をつけてしまうのも、もったいない気がしました。

(環境保全担当自治体職員)

●セールスポイントは?●
 この本は、手描きの「画」にこだわっており、写真が一枚も使われていません。まずは魅力的な画に惹き付けられますが、やはり、“画の力”が重要ではないかと思います。身近な種を扱っており、小学校高学年程度であれば、読めそうです。図解本ならではの、興味や好奇心をくすぐるような雰囲気が漂ってきます。専門用語を知らなかったり、理解できなかったとしても、画を見て興味を持ち、そこから文章も見たくなる方がいらっしゃるのではないかと思いました。そこがまた、写真ではなく画による本の魅力なのだと思います。

(環境保全担当自治体職員)

●誰におすすめ?●
 子どもの頃に出会い、大人になっても付き合い続けられる本です。日本の鳥でもこのような本があったら、有難い限りです。今回の本は、何かことあるごとに、気になったことを再び検索できるようになっており、何度も読み返せる点が素晴らしいと思いました。小学生の頃に画を見て好きになって、中学生・高校生・大学生・社会人と、大きくなってからさらに読み返し、何度も読みながら理解してほしい本だと思いました。また、理科系志望の高校生や大学生がこの本の原著を手に入れて、自分で訳し、英語の勉強に使うのもよいと思いました。専門用語やその用例を知っておくと、英語の原著論文をスラスラ読めるようになると思います。文の量的には、小学生に与える本としては、少し多い気もしますが、画が中心ですので、内容を推測しやすく、中学生以上が英訳するのに最適な気がしました。その点では、大学の先生が教養の授業にテキストとして使うのに最適なのかもしれません。

(環境保全担当自治体職員)

●本書をどのように活用してほしい?●
 科学技術は日進月歩の世界ですので、専門書は廃るのが早いとは思います。しかし、本書の場合は、時代を超えた内容があると思います。特に、文字ではなく画を中心に扱っていますので、その価値は褪せることが無いと私は思いました。もし大学生が購入されたのであれば、卒業されてからも手元に置いて、社会人になってからアメリカへ行き、是非、本書に出ている生き物たちを現地で観察されてみて欲しいと思いました。そして、欲を言えばやはり、子どもの頃から読み続ける子どもが出てきてほしいものです。そういった可能性のある人たちに、できれば子どもの頃に、届けてあげたいと願います。

(環境保全担当自治体職員)

子どもと最近鳥が好きで、図鑑を見たり、調べたりしていたこともあり、イラストのきれいさに惹かれて読んでみた。内容は専門的な言葉もあるのでちょっと難しかったが、読み込んだらもっと面白くなるのかな。子どもはタカ、私はフクロウの絵がお気に入りだ。絵を見ているだけでも楽しかった。

(図書館関係者)

自宅の庭にいるスズメの見て「かわいいなあ」とのどかに感じることはありましたが、スズメに関して調べてみたいと思ったことはありませんでした。この本のイエスズメのページを読んだり、「野鳥観察をはじめるには」というページを読んで、自分にも好奇心はあるかもしれないと気がつきました。
また、ハチドリ類のページを見て、小学校1年生の国語の教科書を思い出したり、「こんなとき、どうする?」のページを読んで、鳥が家の中に入ってきてしまったことがあることを思い出したりと、鳥が身近にいることも、改めて気がつきました。この本は実際に手に取って読むことでさらに楽しく、本の魅力を感じることができるんでしょうね。
私は小学校の図書館に、鈴木まもるさんの鳥の巣の本や鳥の図鑑などと一緒にこの本を並べて、楽しいコーナーを設置したいです。

(図書館関係者)

美しいイラストだけでなく、骨格が描かれたものや、巣など、さまざまな情報に丁寧なイラストが添えられています。図鑑のように使用できると思いますが、鳥類学を学ぶための図書と捉えるべき情報量です。探求熱心な生徒も満足させられそうです。

(図書館関係者)

冒頭の監修者のおことばから、心がわしづかみ状態で、内容の濃い概論にポートフォリオ。 いろんな知見が散乱していて、ひとつにまとまったものには、あまり出会うことがありませんでしたが、この本は、ただ見るだけではなく、その鳥がなぜそのようなことをするのかがわかり、さらにもっと知りたくなる。すべてを読み終えるには、集中力が必要でした。 鳥の世界は、地球規模で広く、もっともっと彼らのことを知りたくなりました。

(群馬県立自然史博物館 姉崎智子)

本を開くと,「はじめに」に続いて,「ご注意」として,本書は作者が鳥の調査をするうちに興味を掻き立てられたものがトピックになっているので偏りがある,という断りがある。その断りどおり,この本は堅苦しい専門書でも,網羅した図鑑でもない。鳥の生態や形態の不思議,進化についてイラストをたっぷり使って解説された,作者の「おもしろい」が詰まった鳥の入門書だ。各鳥を詳しく解説する「鳥のポートフォリオ」の章では日本語版にするにあたり,川上和人氏がそのページのアメリカの鳥に対応する日本の鳥を解説。ぜひ,本書で鳥の世界へ一歩踏み出してみてほしい。

(「BIRDER」2022年2月号より転載)

北米の鳥について書かれた本。種々様々な鳥について書かれた解説が詳しすぎる豆知識という雰囲気で面白いです。日本で見ることが出来る近縁種についての説明があるので、外国の鳥の本ではあるけれど、身近に感じることができます。そして、素晴らしい絵!それぞれの鳥の、生きている…というか、生活している姿をまざまざと映し出すような、素敵な絵です。

(図書館関係者)

この本は、まさに学校図書館に欲しい本だ。 図鑑ではなく、鳥類学の入門書と書かれているが、確かに図鑑より詳しく踏み込んだ内容を、骨格や筋肉などの細部にも言及し説明している。全てを読んだわけではないが、身近な鳥から見たことのない鳥まで、美しい絵で描かれている、その姿を眺めるだけでも飽きない。

(図書館関係者)

綺麗なイラストと分かりやすい解説で鳥類学入門にぴったりですね。よく目にする鳩が、なぜ頭を前後に動かしながら歩くのか、その訳が分かりました。そして、水中で鳥がどのように魚を見て捕まえているのか、フクロウがどのくらい首を回せるかなどなど、普段鳥を見てあれ?と思うことがとても分かりやすく学べます。アメリカの鳥が例になっていますが、日本においての解説があるので帯にあるように、鳥について気になることができたときの私のための本だと思いました。

(読者)

単なる識別用の図鑑にしたくない、という思いを抱いて15年かけて完成した本だという。鳥のことを広く知ってもらいたい、鳥の気持ちがわかるような。研究者が気になったトピックを選んだ、とても内容の濃い本。最初から順番に読むのではなく、気になったところから。絵が美しい。 幸いにも大自然の中に住んでいるので、子供たちと共に鳥に接することが多い。キツツキのドラミングの音も知っている。大きなタカやワシがそら高く円を描くようにとぶ様も見かける。 鳥類に関する本で著名な方が日本では、という解説を加えて翻訳本であり日本のことから離れてしまうということもない。

(読者)

タイトルに図解、と書いてあるだけあって、イラストがほんとうに綺麗でリアルでした。鳥好きのわたしが大満足でじーっと眺めていたくらいです。

(書店社員)

本書は図鑑としても使えるが、鳥類学の入門書でもある。北アメリカに生息する鳥たちが、美しい色彩で描かれている。だから中には、コンドルやハチドリといった日本では見られない鳥も掲載されている。色々な鳥たちの生態や、構造などがイラストとともに説明されているので、極めて分かりやすいだろう。それにしても、鳥たちの体の仕組みはよくできているものだと感心する。

(読者)

鳥の、筋肉や動きがかかれてあったのがおもしろかった。たくさんの、論文からまとめてくださって、知らなかった事が、絵を見ながら、イメージ出来る。庭に来る鳥は、名前や飛び方、鳴き方などでわかる。もうすこし、違った視点でみれるかも?

(図書館関係者)