実験医学増刊 Vol.28 No.2

再生医療の最前線2010

ES・iPS・組織幹細胞の特性の理解と分化誘導,創薬・臨床応用に向けた品質管理,安全性の基盤技術

  • 中辻憲夫,中内啓光/監,梅澤明弘,末盛博文,高橋 淳/編
  • 2010年01月20日発行
  • B5判
  • 235ページ
  • ISBN 978-4-7581-0304-6
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
    PDF版:あり
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各組織への分化誘導法,バンキングや腫瘍化など幹細胞利用のための品質管理からパーキンソン病など疾患への創薬・臨床応用まで,実用化を見据える幹細胞研究の最新成果と着実に進む基盤整備の動向を網羅した1冊!

目次

概論 再生医療のロードマップ【梅澤明弘】

1.米欧を中心とした企業動向

2.再生医療の臨床研究

3.心不全に対する再生医療と人工心臓の複合戦略

4.再生医療に対する指針・ガイドラインと厚生労働省の委員会

5.再生医療製品の標準化

6.ヒトES/iPS細胞は実用化(臨床試験)はいつか

7.再生医療の実状

第1章 再生医療と産業化,社会との接点

1.幹細胞研究の事業化,産業育成に向けた戦略【山本雄士】

  • 幹細胞研究の発展
  • 幹細胞研究の医療応用への期待
  • 医療応用へ向けた研究・技術課題
  • 事業化に向けたさらなる課題
  • 幹細胞産業の育成
  • 幹細胞産業の育成に必要な課題
  • 幹細胞の標準化,幹細胞バンク
  • 幹細胞の産業育成においてわが国がとるべき戦略

2.ヒト幹細胞研究における規制と倫理についての日本と世界の現状【洪 賢秀/井上悠輔/武藤香織】

  • 日本における幹細胞研究の環境整備への動き
  • アメリカでの規制状況
  • イギリスでの規制状況
  • 韓国での整備状況
  • 幹細胞研究における倫理的諸課題

3.日本および欧米の再生医療の政策【梅垣昌士】

  • 日本の再生医療支援政策
  • 欧州の再生医療に対する政策
  • 米国の再生医療に対する政策

第2章 幹細胞の特性の理解と品質管理

1.胚発生型と人工型再プログラム化-ES細胞とiPS細胞【多田 高】

  • 多能性幹細胞の多様性
  • 多能性幹細胞のエピジェネティクスの多様性
  • 生殖細胞型と初期胚型の再プログラム化
  • ES細胞とiPS細胞の共通点と相違点
  • 多能性幹細胞の理想と現実

2.iPS細胞作製の最先端と作製されたiPS細胞株間の特性差異についての最新の知見【長船健二】

  • iPS細胞樹立可能な細胞種および動物種
  • 初期化機構の解明
  • 新規のiPS細胞樹立法
  • iPS細胞誘導効率の改善
  • iPS細胞株間の特性および差異
  • iPS細胞研究の課題と展望

3.心臓再生医療を目指した幹細胞・前駆細胞からの利用状況と応用戦略【杉崎弘江/竹内 純】

  • 各臓器,器官における幹細胞・前駆細胞
  • 心臓再生医療を目指した幹細胞移植アプローチ
  • 臨床応用を目指したアプローチ

4.医療応用に適したES細胞培養システム【高田 圭/末盛博文】

  • 世界のヒトES細胞の医療応用,バンキングの現状
  • ヒトES細胞の医療応用の条件
  • ヒトES細胞の医療応用に必要な技術的条件
  • ヒトES細胞の医療応用に対する京都大学の取り組み

5.神経幹細胞樹立に使用可能な細胞ソースと細胞品質管理【金村米博】

  • 神経幹細胞の樹立に使用可能な細胞ソース
  • 神経幹細胞の細胞品質管理

第3章 幹細胞の分化誘導と臨床応用

Ⅰ.ES細胞,iPS細胞

1.iPS細胞からの血小板への分化誘導と新しい輸血システムの開発【江藤浩之/高山直也/西村 智】
  • 血小板の体外産生ソース:幹細胞
  • ヒトES細胞由来造血前駆細胞集団を濃縮できるES-sac
  • iPS-Sacを介した血小板産生
  • iPS細胞由来血小板を作製する意義と将来像
  • iPS細胞由来血小板のin vivoでの機能評価系の開発
2.脊髄損傷へのES/iPS細胞由来神経幹細胞移植【辻 収彦/岡野栄之】
  • ES細胞由来神経幹細胞
  • iPS細胞由来神経幹細胞
  • ヒトES/iPS細胞を用いた今後の課題と検討
3.細胞移植による網膜疾患治療【岡本理志/橋政代】
  • 網膜の構造
  • 網膜色素変性と加齢黄斑変性
  • 細胞移植による網膜機能再生
4.パーキンソン病に対する細胞移植治療-現在の到達点と今後の課題【森実飛鳥/高橋 淳】
  • 中絶胎児の中脳組織を用いた細胞移植治療
  • 多能性幹細胞からのドーパミン神経の誘導
  • パーキンソン病モデル動物
  • 移植による機能改善の報告
  • 今後の課題
  • iPS細胞の可能性
5.ES/iPS細胞からの心筋細胞分化誘導【塩島一朗/小室一成】
  • BMP/Nodal/アクチビン
  • Wg/Wnt
  • Wnt阻害因子
  • FGF

Ⅱ.組織幹細胞

1.造血幹細胞と再生医療【大澤 光次郎/大津 真/岩間厚志】
  • ヒト造血幹細胞の純化
  • ヒト造血幹細胞の体外増幅の可能性
  • 造血幹細胞を標的とする遺伝子治療
  • ヒトES細胞・iPS細胞を用いた造血幹細胞再生医療の将来
2.間葉系幹細胞-疑問と期待に満ちた組織幹細胞【戸口田 淳也】
  • MSCの「顔」
  • MSCの発生起源
  • 成体組織内のMSC
  • 増殖能
  • 分化能
  • MSCの炎症・免疫調整作用
  • 形質転換の問題
  • 臨床応用
3.歯髄幹細胞の再生医療における可能性【山田陽一/中村 さやか/上田 実】
  • 増殖能力に優れる歯髄幹細胞
  • 歯髄幹細胞の組織再生能:アログラフトによる移植医療のパラダイムシフト
  • 歯髄幹細胞のさまざまな再生医療への応用
4.血管内皮前駆細胞の増幅/分化誘導と臨床応用【増田治史/浅原孝之】
  • EPCの細胞生物学的特性
  • EPC移植による血管再生療法の現状およびその問題点
  • 移植EPCの増幅分化誘導方法
5.神経幹細胞分化の分子基盤【蝉 克憲/中島欽一】
  • 神経幹細胞運命決定におけるエピジェネティクス

第4章 移植における腫瘍化,臨床応用適合性などの検討

1.培養細胞の医療利用と安全性【畠 賢一郎】

  • 感染因子に対する安全性確保
  • 造腫瘍性に対する安全性確保
  • 目的外細胞の混入(増殖)の評価

2.再生医療材料の安全性と臨床研究への応用【川上浩司/堀部智久】

  • 再生医療分野における規制,レギュラトリーサイエンスの理解
  • 日米欧における再生医療の応用化のための規制環境
  • 細胞製剤の癌化可能性についての評価
  • ウイルス否定試験について
  • 日本における当該分野の最近の動向

3.iPS細胞を用いた細胞移植治療の実現に向けて【三浦恭子/山中伸弥】

  • “多能性幹細胞”であるiPS細胞とES細胞に共通の課題
  • “人工”多能性幹細胞に特有の問題
  • どのようなiPS細胞の質が高く安全か? -簡便な評価系の構築の重要性-
  • 多能性幹細胞を用いた細胞移植治療の実現に向けて

第5章 再生医療実現のためのマテリアル研究

1.細胞シート工学による再生医療【関根秀一/清水達也/岡野光夫】

  • 温度応答性培養皿を用いた細胞シート工学
  • 細胞シート工学による再生医療

2.再生医療と幹細胞研究に必要不可欠な次世代バイオマテリアル技術【田畑泰彦】

  • 再生医療のための再生誘導能力をもつ次世代型バイオマテリアル
  • 再生誘導治療におけるバイオマテリアルの重要性
  • バイオマテリアルを利用した再生誘導治療の実際
  • バイオマテリアル技術を利用した再生誘導治療の未来に向けて

3.人工ゲルによる幹細胞機能制御と品質管理【菱川慶一】

  • 細胞接着因子と濃度勾配
  • 幹細胞培養における品質管理と安全性
  • 人工ゲルによる幹細胞培養の実例

4.細胞から組織と臓器をつくる工学技術-バイオプリンティング・バイオファブリケーション【中村真人】

  • 組織工学・再生医療の課題
  • 細胞から組織をつくるための新しい工学的アプローチ
  • インクジェット三次元バイオファブリケーション
  • インクジェットバイオファブリケーションにおけるゲル材料工学

第6章 幹細胞の創薬への応用

1.幹細胞由来心筋細胞を用いた創薬研究におけるQT延長試験【淺井康行】

  • 細胞機能性試験への応用
  • 薬剤誘発性QT延長スクリーニング系への応用
  • QTempo:ES/iPS細胞由来心筋細胞と多電極測定機器を組合わせたアッセイ系
  • QTempoでの測定および解析

2.ヒト幹細胞からの肝細胞分化誘導とその創薬非臨床試験への応用【佐藤陽治/石田誠一/鈴木和博/簾内桃子】

  • 薬物性肝障害・薬物応答性
  • ヒト肝細胞・肝組織を用いた非臨床試験
  • 幹細胞からの肝細胞分化誘導
  • 幹細胞由来肝細胞の非臨床試験への応用

3.ウイルスベクターによるヒト多能性幹細胞の遺伝子改変技術の開発【三谷 幸之介】

  • ウイルスベクターとは
  • ZFNを利用した相同組換えの促進
  • 現状と今後の展望

4.ヒトES細胞から作製される疾患モデル細胞【饗庭一博/櫻井健二/中辻憲夫】

  • 創薬研究における課題
  • 創薬研究ツールとしてのヒトES細胞
  • 疾患モデル細胞作製のために必要なもの
  • ゲノムの特定部位に遺伝子を挿入するシステム
  • 神経変性疾患特異的ES細胞

5.患者由来iPS細胞作製による疾患モデル細胞開発【阿久津 英憲/Stephen Sullivan】

  • 病態解明に向けた新たな疾患モデル解析系の必要性
  • ヒトiPS細胞疾患モデル
  • ヒトiPS細胞による疾患モデリングの課題
  • 今後の可能性

6.幹細胞創薬によるパラダイムシフトとその産業利用【小清水 右一】

  • 創薬研究における細胞利用
  • 創薬研究における細胞利用の問題点
  • 幹細胞使用によるメリットとパラダイムシフト
  • ヒト幹細胞の産業利用
書評・感想
  • 内容は分野が多岐にわたるので、すべてが役に立つというわけではありませんが、研究や社会情勢の最新情報を確認することができ、重宝しています(大学教員)
  • 幅広い情報を効率良く情報を集められた(大学研究職員)
  • update された iPS 細胞の知見を得ることができて、購入してよかった。現在、日本だけでなく米国の全雑誌を含めても、これだけ一冊で再生医療の最前線の知識を総合的に得られるものはない(国公立研究職員)
  • 臨床応用可能な事例が増えてきて楽しみにしています。実際患者さんに使ってみて結構感触がいいですね(開業医)

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  • 【本書名】実験医学増刊:再生医療の最前線2010〜ES・iPS・組織幹細胞の特性の理解と分化誘導,創薬・臨床応用に向けた品質管理,安全性の基盤技術
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