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【縦隔腫瘍の発生部位】側面像により縦隔の部位を分類する.本症例は主に上縦隔と中縦隔に主座をもつ悪性リンパ腫である.
【縦隔腫瘍の発生頻度】悪性リンパ腫以外では以下の5つの頻度が高い.
造影CT が第一選択となる.病変内部の石灰化像や脂肪組織などが同定できれば,鑑別に役立つ.また,造影CT は大動脈瘤との鑑別にも役立つ.
嚢胞性病変の場合,充実性腫瘤性病変との鑑別にMRI が重要となる.
一方,組織診断のためのアプローチが難しい.透視下,CT ガイド下,エコーガイド下での細胞診を行う.気管や食道に接する場合は内視鏡的に吸引細胞診(TBAC:transbronchial needle aspiration cytology)を行う.以上の検査で診断つかない場合,VATS(video assisted thoracoscopic surgery,ビデオ補助下胸部手術)下の生検や開胸生検を考慮する.胸腺腫では赤芽球癆,低γ-グロブリン血症を合併することがあるため,採血上異常値を示すことがある.
腫瘍マーカーとしては,悪性の胚細胞腫瘍では約80 %がhCG やAFP の上昇を認める.悪性リンパ腫では可溶性IL-2レセプターの上昇を認める.