画像診断Q&A

レジデントノート 2014年11月号掲載
【解答・解説】咳と労作時呼吸困難の増悪で来院した40歳代男性

ある1年目の研修医の診断

右肺の末梢に強い浸潤影があって,左肺に粒状影〜斑状影がみられます.

COPD(chronic obstructive pulmonary disease:慢性閉塞性肺疾患)が背景にある肺炎,あるいは,真菌症とか,結核とか….

Answer

肺結核

  • A1:解説に詳細記す.
  • A2:胸部CT,喀痰検査(抗酸菌塗抹検査,結核菌PCR検査,抗酸菌培養)

解説

胸部単純X線写真では,両側に広範な陰影を認め,特に右肺が強く侵されている.陰影の性状は,右肺では結節影〜斑状影が癒合したような浸潤影で内部に空洞性病変を伴っている(図1).左肺では粒状影〜結節影が上中肺野に多く分布している(図1).

胸部CTでは,右上葉に空洞形成を伴う広範な浸潤影を認める.また,その周囲の病変の程度が軽い部分では,小葉中心性の粒状影およびその集合を認める(図2).

鑑別診断として,肺結核,重症肺炎,肺化膿症,肺真菌症,肺癌があがるが,半年の臨床経過をもち,気道散布を伴う病変をもつことから,肺結核を最も疑った.

本例は画像的にも肺結核が強く疑われ,個室に隔離入院とした.初回の抗酸菌塗抹検査は陰性であったが,翌日の喀痰検査で塗抹陽性2+(ガフキー6号相当)であり,また結核菌PCR検査が陽性と判明したため,肺結核と診断した.

本例は右上葉の広範な浸潤影中に空洞性病変が形成され,そこが結核菌の排菌源となり,患側の他葉や対側肺に結核菌が散布され広がったと考えられる.対側肺の粒状影やその集合からなる小葉大の結節性陰影(細葉性結節性病変)は,散布された結核菌に対して宿主の免疫反応が適度に発揮された場合にみられると考えられており1),実際に本例では貧血はなく,低アルブミン血症も軽度であるなど全身状態は比較的保たれていた.

図1 胸部単純X線正面像
図2 胸部CT(異なるスライドを並べて作成)

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文献

  1. 徳田 均:肺結核症の画像所見—細葉性病変とその諸相.結核,84:551-557, 2009

プロフィール

大河内 康実(Yasumi Okochi)
東京山手メディカルセンター 呼吸器内科
徳田 均(Hitoshi Tokuda)
東京山手メディカルセンター 呼吸器内科
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