簡潔さを磨く 2級:例文2

書類準備では「何を書くか」とともに「どう書くか」に注意すると,ぐっと魅力が増します.
研究費の申請書としてどこに着目して,どのように改めるのが効果的でしょうか.
実際の申請書を例に,推敲力を磨いていきましょう.

※実際の申請書からの抜粋を基本としていますが,申請者が特定できないように,内容に関しては架空の化学反応・テーマ・語句に改めている箇所があります.

例文:どこが良くないか考えてみよう

本研究の目的は,歯科心身症に対する薬物療法が有効かどうかの評価を行う.また,発症の原因や患者の分類を行うことによって,適切な診断を行えるようにする.

歯科心身症は他覚的異常所見に乏しく,精神的な異常も認められないにもかかわらず,痛みや異常感を訴える疾患である.本研究では歯科心身症患者を痛み,異常感の症状ごとに分け,どの症状に対してどのような薬物療法がより有効であるか,用量反応性に関する検討を行う.また,なぜ歯科心身症となるのか,発症の契機や症状を増悪させる原因の解析を行い,患者を分類する.さらに薬物療法を行う際に改善や悪化に関わる因子を解明し,それらの結果から,歯科心身症患者のQOL向上につながる,より効果的な治療法と診断の確立をめざす.

推敲力養成道場:目次

児島 将康

(久留米大学客員教授,ジーラント株式会社代表取締役)

書籍「科研費獲得の方法とコツ」「科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック」著者.毎年の科研費公募シーズン前後に20件近くの科研費セミナーで講演し,理系・文系を問わず申請書の添削指導を行っている.令和6年4月より研究者を支援するジーラント株式会社(https://g-rant.org/)を立ち上げ,活動している.

科研費に関する書籍・ウェビナーや制度の変更点など,科研費申請に役立つ情報を発信しております.
研究生活の役に立つ書籍なども少しご紹介しています.