簡潔さを磨く 初段:例文

書類準備では「何を書くか」とともに「どう書くか」に注意すると,ぐっと魅力が増します.
研究費の申請書としてどこに着目して,どのように改めるのが効果的でしょうか.
実際の申請書を例に,推敲力を磨いていきましょう.

※実際の申請書からの抜粋を基本としていますが,申請者が特定できないように,内容に関しては架空の化学反応・テーマ・語句に改めている箇所があります.

例文:どこが良くないか考えてみよう

しかし、実証的研究の蓄積が十分ではなく、今後さらに質の高い研究に基づく支援が求められること は自明である。

申請者は今まで、児童・生徒がどのようなところで学習につまずくのかということの研究を中心に行 ってきた。したがって、小学生のうちに、中学に入っても学習についていける基礎技能を特定する自信がある。

身体運動とDHA摂取による治療法は、医薬品を使用しないために副作用の問題がなく安全である。

申請者が所属する研究室では、国内で最も活発に本技術を用いた解析をすすめており、この点には研究の遅延は考える必要はない。

siRNA法は当研究室で日常的に行われており、手技的に何ら問題はない。

この方法は当研究室で行われており、技術的に何ら問題はなく、容易に遂行可能である。 研究に関する情報を共有することができるなど研究体制は盤石であり、研究の開始準備は整っている。

実践家が参加する研究会には、全国から新人、ベテランと幅広く参加があるため、あらゆる困難を抽 出することが可能である。

推敲力養成道場:目次

児島 将康

(久留米大学客員教授,ジーラント株式会社代表取締役)

書籍「科研費獲得の方法とコツ」「科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック」著者.毎年の科研費公募シーズン前後に20件近くの科研費セミナーで講演し,理系・文系を問わず申請書の添削指導を行っている.令和6年4月より研究者を支援するジーラント株式会社(https://g-rant.org/)を立ち上げ,活動している.

科研費に関する書籍・ウェビナーや制度の変更点など,科研費申請に役立つ情報を発信しております.
研究生活の役に立つ書籍なども少しご紹介しています.