Stay’s Anatomy臓器編〜99%が理解できた解剖学オンライン講義

Stay’s Anatomy臓器編

99%が理解できた解剖学オンライン講義

  • 町田志樹/著
  • 2021年03月31日発行
  • A5判
  • 216ページ
  • ISBN 978-4-7581-0251-3
  • 定価:2,970円(本体2,700円+税)
  • 在庫:あり
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第3講 内分泌

今日の本丸,腎臓

今日の本丸とも言える腎臓.分泌されるホルモンはレニンエリスロポエチンです.レニンは糸球体の傍糸球体装置という部位から分泌されています.

傍糸球体装置と同様,「傍」が名前に付く細胞がありましたよね.甲状腺の傍濾胞細胞. 濾胞 ろほう という部位の 傍ら かたわ にある細胞で,カルシトニンを分泌する内分泌腺でした.傍糸球体装置は,糸球体の傍らに存在する部位です.そこからレニンが分泌されるわけです.ちなみにレニンは厳密に言えば糖タンパク質ですが,今回はホルモンとして扱います.

レニンと言えば,レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系は外せません.頭文字を取って,RAA系とも記載されます.聞いたことあるけど見て見ぬ振りをしてきた人も,多いのではないかな? 今日は極力,わかりやすく説明します.今度こそ,覚えきってしまいましょう.

非常に作用の過程が長いんですが,まずは最初と最後だけ見ましょう.RAA系の一連の働きは血圧の低下から始まり,そして血圧の上昇で終わっています.

p296,図レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系による血圧の調整を見よ

いいですか,以前にも言ったかもしれませんが,これがまさに生理学なんですよ.生理学はそもそも,真ん中が大好きな学問です.上がったら下げる,下がったら上げる,もしくは真ん中を保つ

血圧が上がったときに起こるのは,下げようとする反応ですね.
血圧が下がったときに起こるのは,上げようとする反応ですね.

ではRAA系では,どうやって血圧を上げるのか.血圧の公式をまず押さえましょう.

血圧=心拍出量×末梢血管抵抗

心拍出量=1回拍出量×心拍数

ポイントは掛け算になっている点です.掛け算だからどの値が上昇しても血圧は上昇し,低下しても血圧は下がります.

ではちょっと,例え話をしましょう.蛇口にホースが付いていて,少し離れたところに花が咲いている.そこに水をまきたい場合,どうしますか?

遠くのお花に水をあげたい

やり方は2つあります.1つは蛇口をひねる.水の量を増やせばいいですよね.

蛇口をひねる

もう1つはホースをつまむ.ギュッとすれば,水の勢いは増しますよね.

ホースをつまむ

蛇口をひねるということは心臓から出す血液量を増やす,つまり心拍出量を増加させるということです.またホースをつまむというのは,末梢血管抵抗を上げるということですね.あと心拍出量には,全身の血液循環量も関与しています.心臓に入る血液量が増えれば,出る量も増えるので.ちなみに全身の血液の量は,全身の水分の量と関係しています.

さぁここまでを踏まえて問題です.

「血圧にかかわる要素のうち,一番簡単にコントロールできるのは何か.」

答えは…

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