レジデントノート増刊 Vol.16 No.2

疾患の全体像「ゲシュタルト」をとらえる感染症の診断術

臨床像の核心とその周辺がみえてくる!

  • 西垂水和隆,成田 雅/編
  • 2014年03月20日発行
  • B5判
  • 287ページ
  • ISBN 978-4-7581-0565-1
  • 定価:4,950円(本体4,500円+税)
  • 在庫:あり
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疾患の全体像,ゲシュタルトをとらえれば,核心をズバリ突く迅速さと見落としやすい疾患を見逃さない周到さを備えた感染症診断ができる!よく出合う疾患,症候群の臨床像のとらえ方から診断に至る考え方までを紹介!

目次

総論 感染症なのか? 普遍化できないゲシュタルトを共有していく【西垂水和隆】

  • 悩みながら線を引く
  • ゲシュタルトは変化するし普遍化できない
  • 感染症と非感染症にどうやって線を引くか?

第1章 Common/Critical な疾患

1. 市中肺炎【織田錬太郎/本郷偉元】

  • 肺炎を診断する
  • 原因微生物の推定
  • 治療

2. 誤嚥性肺炎【岸田直樹】

  • 全体の臨床像をできれば一言で
  • 他の疾患との区別
  • 診断へ導くKeyとなる病歴,身体所見,検査
  • 治療

3. 膿胸・肺化膿症【金城紀与史】

  • 膿胸
  • 肺化膿症

4. 感染性心内膜炎【澤村匡史】

  • 血管内感染症としての臨床像
  • 一見,心臓とは関係のない症状
  • 「風邪」に抗菌薬の弊害.漫然と抗菌薬を続けることの弊害
  • 心臓疾患としての臨床像
  • 異物感染としての臨床像
  • 「IEとして対処する」こと

5. 敗血症〜特にカテーテル関連血流症【有馬丈洋/本郷偉元】

  • 全体の臨床像
  • 他の疾患との区別
  • 診断へ導くKey となる病歴,身体所見,検査
  • 治療

6. 副鼻腔炎【高倉俊一/尾原晴雄】

  • 急性鼻副鼻腔炎の特徴
  • 抗菌薬治療
  • 抗菌薬以外の治療法
  • 専門家に相談すべきケース
  • Advanced Lecture

7. 扁桃腺炎〜頭頸部の見逃したくない感染症【本村和久】

  • 全体の臨床像
  • 他の疾患との区別
  • 診断へ導くKey となる病歴,身体所見,検査
  • 治療
  • Advanced Lecture

8. 尿路感染症(腎盂腎炎)【谷口智宏】

  • 症例(すべて実例)
  • 全体の臨床像
  • 他の疾患との区別
  • 診断へ導くKey となる病歴,身体所見,検査
  • 治療

9. 胆道感染症(胆石胆嚢炎)【篠浦 丞】

  • 症例のポイント
  • 急性胆嚢炎の診断
  • 臨床経過と病態の関係
  • 画像所見
  • 治療
  • 鑑別疾患

10. 腸腰筋膿瘍【忽那賢志】

  • 腸腰筋膿瘍の臨床像
  • 診断へ導くKey となる病歴,身体所見
  • 診断のための検査
  • 治療
  • 本症例の経過

11. 感染性腸炎【星 哲哉】

  • 最初にすること
  • 致死的疾患を除外したあとは
  • 検査はどのような場合に思考するか?また何を調べるか?
  • 治療

12. クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)【北薗英隆】

  • 全体の臨床像
  • 診断へ導くKey となる病歴,身体所見,検査
  • 治療
  • 再発/再燃の診断方法と治療法は?

13. 軟部組織感染症のゲシュタルト〜蜂窩織炎から壊死性筋膜炎まで【藤田崇宏】

  • 全体の臨床像
  • 他の疾患との区別
  • 診断へ導くKey となる病歴,身体所見,検査
  • 治療

14. 市中細菌性髄膜炎【関川喜之/成田 雅】

  • 市中細菌性髄膜炎のゲシュタルト
  • 市中細菌性髄膜炎のゲシュタルトの周辺
  • 診断へ導くKey となる病歴,身体所見,検査
  • 治療

15. 前立腺炎,精巣上体炎【笠原 敬/青木勝也】

  • 急性前立腺炎
  • 慢性前立腺炎
  • 精巣上体炎

16. 化膿性関節炎【耒田善彦/金城光代】

  • 見逃したくない重篤疾患VS よくある疾患
  • よくある疾患は痛風と偽痛風
  • Advanced Lecture 慢性単関節炎で抗酸菌染色も陰性ですが,結核性関節炎を疑うときどうしたらいいでしょうか?

17. 糖尿病の足感染症【岩田健太郎】

  • 全体の臨床像
  • 他の疾患との区別:診断へ導くKey となる病歴,身体所見,検査
  • 治療

18. 女性の性感染症【土井朝子】

  • PID について 2. 急性HIV を疑う婦人科的臨床像について(他のSTD との鑑別も含めて)
  • Advanced Lecture

19. インフルエンザ【小松真成】

  • 全体の臨床像(ゲシュタルト)
  • 他の疾患との区別
  • 診断へ導くKey となる病歴,身体所見,検査
  • 治療と予防など

第2章 「症候群」に関して

1. 不明熱〜層(layer),軸(axis),次元(dimension)を意識した診療【萩野 昇】

  • はじめに:不明熱の定義
  • 古典的不明熱は存在するか ~ Listen to the patient ~
  • そうはいっても不明熱は存在する ~不明熱の層(layer)~
  • 運命のまえでわたしたちにできることは何か ~不明熱の軸(axis)~
  • 不明熱診断の4ステップ~不明熱の次元(dimension)~
  • Advanced Lecture Beyond Evidence 〜教科書には書いていない方法〜

2. 寄生虫疾患を考えるとき【中村(内山)ふくみ】

  • 最近の日本における寄生虫疾患
  • 寄生虫の居場所=標的臓器を知る
  • 症状,標的臓器からのアプローチ
  • 診断に必要な検査

3. 無菌性髄膜炎をみてしまったとき〜特に結核性髄膜炎【後藤道彦】

  • 無菌性髄膜炎とは?
  • 鑑別診断
  • 髄液検査
  • 結核性髄膜炎はどうやって否定する?

4. 膠原病と迷う疾患群としての感染症【陶山恭博/岸本暢将】

  • 細菌による膠原病類似症候の起こる機序
  • ○○と診断する前に除外したい感染症
  • 生物学的製剤使用中の感染症

5. 内分泌疾患と感染症【仲里信彦】

  • 副腎不全と感染症
  • 甲状腺疾患と感染症
  • Advanced Lecture 自己免疫性副腎不全と感染症に関して

6. 悪性疾患〜特に悪性リンパ腫などに見紛う感染症【萩原將太郎】

  • 悪性腫瘍との鑑別が必要な感染症について症例を通して考えてみよう!
  • 悪性疾患に見紛う感染症について
  • Advanced Lecture EBV 感染症

7. 動物関連疾患〜リケッチア,つつが虫病,日本紅斑熱を考えるとき【山藤栄一郎】

8. HIV/AIDS の周辺疾患〜特に急性HIV 症候群を見逃さない【相野田祐介】

  • HIV 感染症における日和見感染症とその診療
  • 急性HIV 症候群
  • HIV 感染症が発見されるポイント

9. 不明熱としての結核【市來征仁】

  • 日本は,結核の頻度が高い
  • 結核について
  • 粟粒結核の診断が困難な理由
  • 粟粒結核診断のプロセス
  • 経験的抗結核療法
  • 本症例について

10. 免疫不全者の感染症【阿部雅広/荒岡秀樹】

  • 免疫不全の型を分類する 〜4つの免疫不全型
  • 風邪っぽいけど抗菌薬は必要?
  • 狭域スペクトラムへの変更は妥当で可能?

11. 糖尿病の感染症【川島彰人/徳田安春】

  • 糖尿病が易感染性と重症化を引き起こすメカニズム
  • 糖尿病に特異的な感染症
  • Advanced Lecture 重症感染症患者の血糖コントロール目標

12. 輸入感染症【竹下 望】

  • 輸入感染症を考慮すべき症例か?
  • どのような輸入感染症を考慮すべきか?
  • 症状の解釈
  • 輸入感染症に対する検査
  • 治療薬について

13. ウイルス関連疾患〜伝染性単核球症様症候群【國松淳和】

  • 肝炎が目立つパターン:“IM vs Strep”
  • 血球異常が目立つパターン:“鑑別対象は多彩”

14. 研修医が知っておくべきワクチンの知識【椎木創一】

  • ワクチン接種するなら「今でしょ」の例
  • ワクチンの基礎
  • 攻めるワクチン接種
  • 守るワクチン接種
  • Advanced Lecture

特別寄稿 抗菌薬治療の基礎的考え方

De-escalation の必要がないTargeted therapy を心がけて【喜舎場朝和】

  • 感染症病巣と起因菌を評価する地道な努力を
  • Targeted therapy 実践のためのQ&A

付録

  • 感染症診療Pearls
  • 発熱の患者 病歴聴取の実際

Column

  • 自分の病歴を教科書に書いたCope
  • 接触感染予防策について
  • 急性前立腺炎:内科医と泌尿器科医の「ズレ」はなぜ生じるか?
  • PET の適応について
  • 可溶性IL2 レセプターについて

研修医のよくある疑問

  • なぜグラム染色が必要なのですか?
  • 肺炎で血液培養は毎回必ず採らなきゃだめですか?
  • 非定型肺炎のカバーは必須でしょうか?
  • 抗菌薬の適応は?
  • 抗菌薬投与中にまた誤嚥しました.どうしましょう? 注入は止めた方がいいですか?
  • 治療期間は? 外科医への相談のタイミングは?
  • 抗菌薬治療中に弁置換術をする場合,抗菌薬の選択はどうすればよいでしょうか.また,手術前の治療期間はカウントできますか?
  • TEE ができない場合,臨床上IE として4週間抗菌薬を投与することで治療は完了できますか?
  • VCM だけでいいですか? GNR もカビもありうるのではないですか? 他の部位に飛んでいないか心配です
  • 合併症の検索はルーチンでは不要ですか?
  • ストレップ陰性でも抗菌薬を出した方が効くのではないですか?
  • なぜ尿路感染症で血液培養が必要なのでしょうか?
  • 手術が必要な条件は?
  • 「ドレナージはいつ?」「外科が抗菌薬で押してくれと言います.いつまで?」
  • 抗菌薬治療の適応は? 治療期間も教えてください
  • プロバイオティックスの意義は?
  • 蜂窩織炎に血液培養は必要?
  • 関節周囲が発赤してきて関節炎との鑑別がつきません
  • ステロイドを使用するのはどのような場合か?
  • 外科医への紹介のタイミングは?
  • 症例をみた研修医からの質問
  • 抗ウイルス薬は本当に必要? また使用時の注意点は?
  • 不明熱診療が上手になるためにはどうすればよいですか?
  • 確定診断以前の初期治療で,考えられる病原体(細菌・HSV・真菌など)をすべて治療するのは妥当でしょうか?
  • リンパ腫の熱か感染症の熱かわかりません,ナプロキセン投与でわかりますか?
  • 刺された人がすぐに受診してきましたが,どのように対応すればいい?
  • HIV 感染症が疑わしいのですが患者が検査を希望されません.どうしたらよいですか?
  • 免疫不全患者が明らかに風邪っぽいのですが,念のため抗菌薬必要ですか?
  • 一言で高血糖と言っても,どのくらいの血糖値だったら感染症を起こしやすいのですか?
  • 糖尿病は免疫低下状態なのだから,広域スペクトラムな抗菌薬を選択した方がよいですか?
  • ウイルス性疾患とは思うのですが,患者さんがきつそうです.ステロイドを使ってはいけませんか?

ベテラン指導医のつぶやき

  • targeted therapy か,ガイドライン通りのempiric therapy か?
  • 吸痰だけで様子をみるってあり?
  • 横隔膜より下の嫌気性菌をカバーすべき場合はどんなとき?
  • ドレナージができない部分がある場合の治療期間は?
  • 非確定例への治療やその後のフォローはどうすればよいのだろう…
  • いわゆるculture negative endocarditis の場合は,どう対応すればよいのだろう…
  • 培養に出すだけでなく,抜去部位を絞り出してスメアするのが大切に思いますが,どうでしょう?
  • 扁桃腺炎頻発例への治療はどのようにしたらよろしいでしょうか?
  • Not just academic !
  • 尿路感染症は単純性と複雑性に分類する?
  • Tokyo Guideline
  • 鑑別疾患について:急性アルコール性肝炎
  • なぜ腸腰筋に膿瘍ができやすいのだろうか…
  • 免疫不全者が胃腸炎になったらどうするか?(特にノロウイルス流行時に)
  • 必ずしも理想通りに行かないNSTI のマネジメント
  • 細胞数少しだけ上昇とか微妙例もあるが,どうするべきだろうか…
  • ある泌尿器科医の体験談
  • 多発性の化膿性関節炎の臨床像もあるがどのような場合だろうか…
  • ワクチンの臨床的効果は? また接種対象者は?
  • ウイルス性と思われるが2週間経っても臨床像も髄液も改善しない場合,ステロイドを使用するのは妥当か…
  • 組織診断以外にリンパ腫を想起するポイントは?
  • 最初見たとき皮疹はなかったように思われる症例はどのように判断すればよいだろうか…
  • こんな見逃し例があった!!
  • 好中球減少期の発熱時の血液培養で起因菌が判明した.当初使用していたカルバペネムから,狭域スペクトラムへの変更は妥当で可能だろうか?
  • ウイルス性疾患は,自然に治るんだったら,そんな診断にこだわる必要はないのでは?

第1章「13. 軟部組織感染症のゲシュタルト 〜蜂窩織炎から壊死性筋膜炎まで」より抜粋

疾患の全体像「ゲシュタルト」をとらえる感染症の診断術1 疾患の全体像「ゲシュタルト」をとらえる感染症の診断術2 疾患の全体像「ゲシュタルト」をとらえる感染症の診断術3

−後略−

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