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広がる創薬科学ワールド
〜研究情勢の進化と変化〜

辻本豪三
辻本豪三(Gozoh Tsujimoto)
京都大学大学院薬学研究科ゲノム創薬科学分野

DNAチップの実用化が進むとともに,プロテオミクスの一般化が進み,ゲノム科学の臨床応用が現実化に近づいたのは,2005年で注目すべき成果である.

創薬科学とは,言うまでもなく最先端科学と最先端テクノロジーの融合である.今後,より迅速かつ網羅的なメタボローム解析技術,さらにゲノム,トランスクリプトーム,プロテオーム情報を統合したオミックスデータベースの構築,そしてそれに基づく新たな情報科学の発展が期待される.

なかでも特に機能性RNAの研究は単に核酸医療に留まらず,化合物世界にも大きく関与するポテンシャルがある.わが国でもケミカルバイオロジーがヒートアップしてきており,ゲノムワイドな地平からRNA科学との新たな展開が期待される.

ところで,ポストミレニアムから始まった,国立大学の独立行政法人化などの社会構造の変化は,相乗的に研究者,特に大学研究者の位置づけを大きく変え,また研究スタイルというものの基盤にも変化を起こしている.このような状況の変革をどのように読み,大学院,ポスドクといった若手研究者が広い視野で科学技術・生命科学の知識と展望をもっていけるかについても,新しい課題として立ち向わねばならない.

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