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【第1回】学振特別研究員とは?概要から採択までの流れ

日本学術振興会特別研究員(通称:学振,以下では特別研究員)は「優れた若手研究者に,その研究生活の初期において,自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与える」ためのもので,「我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保」が目的である.

大学院博士課程(博士後期課程)在学者が対象のDC(Doctoral Course またはDoctorʼs Course.Doctor Course は和製英語)と,博士の学位取得者と申請時に取得見込みの者のPD(Postdoctoralからきているのだろう)の2つのコースがある.DCはDC1とDC2に分かれ,それぞれ約700名と約1,100名の採用予定数,PDは約350名の採用予定数である.PDの応募者のなかで,特に優れたものはSPDとして18名が採用される.

例年2月中旬に募集要項が公表され,平成30年度採用分の募集期間は平成29年4月上旬から6月1日(木曜日)17時(厳守)までである(平成31年度の日程は日本学術振興会の申請手続きに関するページをご参照ください.).専門分野の審査委員による,応募者が作成した申請書にもとづく書面審査を経て,まず10月中旬から下旬にかけて第一次選考の結果が開示される.書面審査は申請者の分科細目に応じて専門委員6人によって行われる.任期を終了した専門委員の名前と所属は公表されている.ぜひ参考にして欲しい(http://www.jsps.go.jp/j-pd/data/senmon_hyosholist/senmon_iin-manryo.pdf).

この段階で,面接が免除される採用内定予定者と面接候補者が選ばれる.その後,11月下旬から12月上旬にかけて第二次選考の審査会(面接)が行われ,翌年1月上旬ごろに第二次採用内定者が決定する(以上,平成30年度採用分の募集要項から).面接審査では,特別研究員等審査委会の委員および専門委員で構成される領域別小委員会において,1人あたり10分間(SPDは20分間)の面接が行われる.最初の4分間(SPDでは8分間)でこれまでの研究業績と今後の研究計画について説明し,残りの時間が審査委員との質疑応答となる.面接時間は短いので,研究計画について事前にきちんとまとめておく必要がある.

平成27年の全国の大学院博士課程在籍者数7.4万人からすると,採択者は「選ばれた者」である.実際に採択率は21.8%(DC1),21.8%(DC2),12.5%(PD)(平成29年度のデータによる)と,DCでは約5倍,PDでは約8倍の高い競争率である.DCについては研究経験が少ないので,申請書の「現在までの研究状況」,「これからの研究計画」,「自己評価」,「評価書」が重視され,PDについては「研究業績」を重視して評価される.このようにDCとPDでは評価指針が異なる.

さてその特別研究員の応募書類だが,いくつかの項目で科研費申請書と似た部分がある.特別研究員の審査方針にも,「研究業績が優れており,研究計画を遂行できる能力及び当該研究の準備状況が示されていること」や「研究計画が具体的であり,優れていること」とあり,これらは科研費申請書の評価基準と一致する.また「現在までの研究状況」,「研究の背景」,「研究目的・内容」,「研究の特色・独創的な点」,「年次計画」,「人権の保護及び法令等の遵守への対応」,「研究業績」などの項目は科研費申請書とほぼ同じだが,その一方で,個々の項目の記載事項は科研費とは少し異なる.またDCにおいては「自己評価」,PDにおいては「受入研究室の選定理由」,DC・PDでの「申請者に関する評価書」などの科研費にはない項目がある.

私の研究室からはこれまでに2名が特別研究員に採用された.彼らとのこれまでの応募経験と,特別研究員について個人的に勉強してきたことをもとにして,申請書の各項目を書いていくうえでの要点をまとめた.

【第2回】へ続く

目指せ、学振特別研究員! 目次

本コーナーの内容は『科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版』(2017年8月発行)から抜粋したものです.記載内容は発行時点における最新情報に基づき,正確を期するよう,最善の努力を払っております.しかし,本記事をご覧になる時点において記載内容が予告なく変更されている場合もございますのでご了承ください.

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