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【第2回】申請書を書く ポイント①

「現在までの研究状況」

科研費申請書には完全に対応する項目はないが,「研究目的」や「これまでに受けた研究費とその成果等」に相当する.DCでは1ページ半,PDでは2ページに「現在までの研究状況」を書く.これは「①これまでの研究の背景,問題点,解決方策,研究目的,研究方法,特色と独創的な点」を「当該分野の重要文献を挙げて」書くことと,「②申請者のこれまでの研究経過及び得られた結果」について書くことが求められている.

つまり①は申請者の研究テーマについての一般的な説明であり,②はその研究テーマに対して申請者がこれまでに実際に行ってきた研究内容のことである.いうまでもなく②が非常に重要である.これまで行ってきた研究に関して論文発表や学会発表を行ってきたことを記載するように求められている.

おそらく特別研究員に応募する者は,このような申請書を書くのが初めてではないだろうか? そのため,何を書いていっていいのか,またどのようにページを埋めていったらいいのか,わからないことが多いことだろう.このようなときには,大きな部分を小さく分けて書いていくとよい.例えば①では「研究の背景,問題点,解決方策,研究目的,研究方法,特色と独創的な点」と項目ごとに分けて書いていけば,書きやすい.また②についても「申請者のこれまでの研究経過」と「得られた結果」について分けて書けばよい.

また「図表を含めてもよいので」とあるように,図表を使って説明するのは非常に効果的なので,図表の活用をお勧めする.

「これからの研究計画」

「研究の背景」(科研費申請書の「研究目的」の一部に相当)

ここでは提案する研究内容が重要であることや,なぜ申請者が提案するこの研究計画を行う意義があるのか,これまで行ってきた研究内容がどのように生かされるのかを示す必要がある.

ここは分量にして半ページほどの部分だが,やはり個々の項目に分けると書きやすい.これからの研究計画の背景,問題点,解決すべき点,着想に至った経緯と項目ごとに分けて書いていった方が書きやすいし,読む方も理解しやすい(例にあげた見本では項目を結合したり,順番を工夫している).

「研究目的・内容」(科研費申請書の「研究目的」の一部に相当)

まず最初の2〜3行に研究目的のサマリー(概要)を書いておくことをお勧めする.最初にサマリーがあると,審査委員はそれを頭に入れて読み進めていくので理解しやすいからだ.その後で①研究目的,研究方法,研究内容,②どのような計画で,…と順番に書いていくとよい.

「研究の特色・独創的な点」(科研費申請書の「研究目的」の一部に相当)

ここの部分は申請者の「研究の特色」なので,なぜこの研究が重要なのか,なにが新しい点なのかなど,大いにアピールしよう.

「年次計画」(科研費申請書の「研究計画・方法」の一部に相当)

年次ごとの研究内容について書いていく.1年目,2年目については研究計画も立てやすいだろうが,3年目になると研究内容を予想するのは難しい.ここでは「元の枠に収まっていれば,年次毎の配分は変更して構わない」ので,1年目,2年目を詳細に書いて,3年目は少なめに書くとよい.

「受入研究室の選定理由」(PDのフォーマットのみ)

受入先の研究室をなぜ選定したのか,その理由をきちんと書いておく必要がある.その研究室でないと研究が進まない理由,そこに行くことで研究が画期的に進展する可能性が大きいことなど,しっかりと説明すること.これまで同じ研究機関内での別の研究室への移動でも可能だったのが,平成28年度以降は「大学院博士課程在学当時の所属研究機関(大学等)以外の研究機関(大学等)であること」と,原則必ず別の研究機関に移動しなければならなくなった.

「人権の保護及び法令等の遵守への対応」(科研費申請書の「人権の保護及び法令等の遵守への対応」に相当)

個人情報に関する研究,遺伝子組換え実験,動物実験など,研究機関で倫理委員会やその他の委員会の承認があらかじめ必要なものは,きちんと対応しておけば問題はない.

「研究成果等」(科研費申請書の「研究業績」に相当)

論文発表などの研究業績は特別研究員採択のために必須といわれているが,大学院生の場合には十分な研究業績のない場合も多い.私の研究室の例では,大学院生の場合は筆頭著者の英文論文がなくても採択されている.そのため論文(第二著者以下のものでもよい),総説,学会発表など,小さなものでもよいので,できるだけ多く記入しておこう.その他には,大学などで表彰を受けたことや民間財団の研究助成などを書いてアピールしよう.

【第3回】へ続く

目指せ、学振特別研究員! 目次

本コーナーの内容は『科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版』(2017年8月発行)から抜粋したものです.記載内容は発行時点における最新情報に基づき,正確を期するよう,最善の努力を払っております.しかし,本記事をご覧になる時点において記載内容が予告なく変更されている場合もございますのでご了承ください.

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