AI技術が普及する中での羊土社の出版活動について

近年の情報技術の普及を背景に、社会や生活の環境が大きく変化しています。科学と医療の領域においても生成AIの導入が急速に拡大し、学習・探索・創造・伝達など様々な目的で利用されるようになりました。業務効率化や価値創造が期待される一方で、明確な基準やルールが確立しない中で多くの方が手探りで利用している状況であることと存じます。

羊土社は生命科学と医学の専門出版社として、現場に必要とされている情報を幅広く迅速に届ける役割を担っており、新たな技術の活用は重要な推進力であると考えています。同時に、業務遂行においては公平さと正確さ、そして誠実さを第一義としており、それは不変の理念であると考えています。研究・教育・医療の現場で尽力される方々と共に確かな情報を創造し、現場に最適な形で伝達するために、AI技術を適切に活用してまいりたいと思います。

このような姿勢のもと、下記の取り組みとお願いをご案内申し上げます。


羊土社の取り組み:私たちが心がけていること

生命科学と医学の専門出版社である羊土社は、1979年の創立以来、研究・教育・医療の3つの基盤に立脚した出版活動に努めております。羊土社における「出版(Publishing)」とは、価値ある著作物を公に送り届ける事業と位置付けています。

羊土社の出版活動の根幹は、現場で使命感を持って尽力される方々の声を真摯に受け止め、その方々に必要とされる情報を確かな形で届ける編集力にあると考えています。実際に現場におもむいて未解決課題を発見し、新たな企画として具現化する「探究者」としての役割を大切にしています。そして、執筆者の皆さまの唯一無二の経験や志を正確に誠実に編集し、読者の目線をもって公平かつ客観的に制作する「創造者」としての役割に努めています。さらに、生み出された書籍やコンテンツを読者へ送り届け、永く読み継がれる環境を維持する「伝承者」としての責任を担っております。

時代と共に人々の学びや探索の手法が変わり、コミュニケーションの在り方が変容し、ものづくりの技術も日夜進歩しています。羊土社は創立時より変化を学びながら取り入れてきましたが、その取り組みは現在のAI技術や未来の新技術に対しても変わらぬものと考えております。そして書籍を届ける流通や販売の仕組みが変わり、情報に関わる法制度やセキュリティ環境も激変が続いています。だからこそ専門出版のプロとしての倫理観をもって判断し、取引先や協力者の皆さま方との信頼関係を築きながら、持続的に誠実に取り組んでまいりたいと思います。

執筆者や取引先の皆さまにおかれましては、AI技術が普及する中で、ご執筆やご利用の対応に悩まれることも数多くあることと思います。私ども羊土社は最新の状況を学びながら、皆さまと共に未来を創り上げるための方法や情報をご案内してまいりたいと思います。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。


執筆者の皆さまへ:著作にあたってのお願い

平素よりご執筆ならびにご指導を賜りまして、誠にありがとうございます。
執筆者の皆さまの想いや考えが表現された大切な著作物を、羊土社は適切な形で読者に届けてまいります。著作にあたりましてのお願いを以下にご案内いたします。

1)執筆・制作時においてのお願い

ご執筆された原稿、あるいは制作されたイラストや動画などは著作物となります。著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(著作権法第2条1項1号)と定義されており、執筆者の唯一無二の知見やお考えを適切に表現いただく必要がございます。科学と医療を支える著作物には信頼性と正確性が不可欠となり、専門内外の読者に適したわかりやすく公平な表現が必要となることもございます。合わせて、他の著作物を尊重しその著作権を侵害しないような法の遵守が求められます。AI技術などの新たな方法を利用する際には、その利点と課題を理解することが肝要と考えます。羊土社では法制度や技術の状況を把握し、依頼の際の書類や要項などで執筆者の皆さまに情報提供してまいります。また編集の段階で、担当者より調整などのご相談を差し上げる場合もございます。皆さまの大切な想いやお考えが正しく永く伝わりますように、何とぞご協力をいただけますようお願い申し上げます。

2)著作物の販売促進とAI等への利用についてのお願い

価値ある著作物から生まれた書籍・コンテンツは、それを求める読者に伝わる必要がございます。羊土社では、執筆者の皆さまと連携しながら販売促進のアイディアを考え、伝える工夫に努めております。ウェブやSNS等で共感を通じて読者に伝えると共に、外部メディアや検索プラットフォーム(RAG技術を用いるものを含む)等を通じて多くの潜在読者に認知されるように心がけています。また書店や学会を通じた書籍販売と共に、電子書籍や記事単位でのデジタル販売、年間購読やサブスクリプションなど、読者の多様な行動様式に合わせた販売と閲覧の場の提供を社内外の関係者と共に取り組んでおります。今後も読者に愛され信頼されるチャネルを通じて、伝達を続けてまいりたいと思います。

さらに生成AIの登場によって、書籍やコンテンツが新たなツールやサービス等の価値創造へと活用される動きも出てまいりました。読者の学び方や働き方の変化に合わせ、著作物の価値がより多様な形で活かされて永く伝えられる機会を生み出すために、羊土社の書籍やコンテンツに掲載された著作物をAI学習・開発等の目的で利用あるいは外部事業者へ利用許諾させていただく可能性がございます。利用許諾にあたっては、外部事業者に対して法令ならびに契約の遵守を求め、著作物が不適切な利用をされないよう対策を講じます。またデータ提供にあたっては、個人情報や著作権等に留意して必要な措置を講じてまいります。利用において対価が発生した場合は、契約や依頼書類に基づいて適切に還元させていただきます。

執筆者の皆さまにおかれましては、羊土社で発行・公開されたご自身の著作物についてAIモデル開発への利用を希望されない場合は、「執筆者様向けのページ」からお申し出ください。内容を確認の上、適切な方法・範囲で対策をさせていただきます。

皆さまの唯一無二のメッセージである著作物が、志を持つ読者とめぐり逢い、科学と医療の発展を永続的に支える存在となりますよう、何とぞご協力をいただけますようお願い申し上げます。


その他、ご執筆にあたりましてのご質問やご提案などございます際は、弊社の担当者にご連絡いただくか、「執筆者様向けのページ」よりお問い合わせいただけますようお願い申し上げます。


取引先の皆さまへ:著作物の利用にあたってのお願い

平素より羊土社への格別のお引き立てをいただきまして、誠にありがとうございます。
羊土社が取り扱う書籍・コンテンツは全て著作物となりますので、ご利用の際には著作権法や各種規定に則ってご対応またはお手続きいただく必要がございます。AI等による著作物の利用は、その利用方法によって著作権者の利益を不当に害する可能性、さらには著作権侵害を引き起こす可能性がございますので、必ず事前にご相談くださいますようお願い申し上げます。

羊土社が取り扱う著作物の利用をご検討の際は、「羊土社が取り扱う著作物をご利用になりたい方へ」にある各窓口のリンクからお問い合わせください。内容を確認し、必要に応じて適切な利用方法や利用条件、申請や契約手続き等の情報をご案内いたします。新たな計画や前例のないご相談につきましても、真摯に検討してまいります。

研究・教育・医療の現場から生まれた価値ある著作物が、必要とする方々に正しく届き利用され、未来を切り拓く力となりますことを、羊土社は切に願っております。引き続きご理解とご協力をいただけますよう、謹んでお願い申し上げます。

2026年11月6日
株式会社 羊土社

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