2・3級合格をつかむ心電図問題集160&とことん解説〜ランダムに出題される練習問題と実力テストで本番に強くなる

2・3級合格をつかむ心電図問題集160&とことん解説

ランダムに出題される練習問題と実力テストで本番に強くなる

  • 髙嶋俊介,藤澤友輝/著
  • 2025年07月01日発行
  • AB判
  • 311ページ
  • ISBN 978-4-7581-1305-2
  • 4,290(本体3,900円+税)
  • 在庫:あり
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問題024

選択肢 ①洞房ブロック ②房室ブロック ③心房期外収縮 ④心室期外収縮 ⑤高カリウム血症

心室の不応期はこのような経過を辿ります.

この心室が動けない()ときに,とても早いタイミングで心房から期外収縮が起こると,心室は動けないため心房のP波だけが出現します.これが非伝導性心房期外収縮(blocked PAC)の正体です.

blocked PACの場合,ほとんどがT波にP波が重なっているためT波の形の変化(鋭いT波や二峰性のT波)に着目します.

また,房室ブロックと鑑別する際はPP間隔をディバイダーにて測定し,PP間隔が一定であれば房室ブロック,PP間隔が短縮していればblocked PACと考えます.房室ブロックでは洞結節は正常に刺激を出し続けているためPP間隔は一定になり,PACは予定より早い心房の収縮のためPP間隔は不整になります.

本症例では,Ⅱ誘導ののところにPACのP波が出現しています.T波の頂点付近にP波が隠れているため先鋭したT波となっています.blocked PACの2段脈のためRRの間隔は規則正しくなっています.

V1誘導ではT波の前に陽性のP波()がみられ,blocked PACと考えられます.

解答

②房室ブロック

③心房期外収縮

PQ間隔>5 mmのため1度房室ブロックがあります.

選択肢

①洞房ブロック:本症例ではP波は脱落していないため()洞房ブロックとはいえません.

④心室期外収縮:予定より早い,QRS幅の広い波形はありません.

⑤高カリウム血症:P波がT波に重なって先鋭化していますが(),左右非対称で増高はしていないためテント状T波ではありません.

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