エキスパートの手元がみえる!血管エコー〜解剖・正常像で身につく走査テクニックと検査手順、報告書作成まで

エキスパートの手元がみえる!血管エコー

解剖・正常像で身につく走査テクニックと検査手順、報告書作成まで

  • 八鍬恒芳,藤崎 純/著
  • 2020年12月25日発行
  • A5判
  • 215ページ
  • ISBN 978-4-7581-1886-6
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:あり
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第5章 下肢動脈

2 走査法

1ドプラ血流波形解析

総大腿動脈長軸像および総大腿動脈パルスドプラ波形の描出(図1
  1. ① 鼠径部内側縦断走査にて総大腿動脈長軸像を得る.
  2. ② 描出が難しい場合は,横断走査にて,大腿動脈短軸像を描出し,90°右に回転して,長軸像を描出するとよい.
  3. ③ パルスドプラのサンプルゲートを出して,サンプルボリュームを血管内腔の2/3程度とし,スラント機能および,血管を超音波ビーム方向に近づけるような走査(斜めに傾ける)とする.パルスドプラの角度補正バーが60°以内で血管走行と一致するように調整したうえでパルスドプラ波形を記録する.AT,PSVを計測し,波形パターンを確認する.
膝窩動脈長軸像および膝窩動脈パルスドプラ波形の描出(図2
  1. ① 膝窩部縦断走査にて膝窩動脈長軸像を得る.
  2. ② 描出が難しい場合は,横断走査にて,膝窩動脈短軸像を描出し,90°右に回転して,長軸像を描出するとよい.
  3. ③ 総大腿動脈の手順と同様に,ATおよびPSVを計測し,波形パターンを確認する.
後脛骨動脈長軸像および後脛骨動脈パルスドプラ波形の描出(図3
  1. ① 内果後方の縦断走査にて膝窩動脈長軸像を得る.
  2. ② 短軸像で後脛骨動静脈を描出してから長軸像にしてもよい.また断層像のみでの描出が難しい場合も多いため,カラードプラ下で行うとよい.
  3. ③ カラードプラの流速レンジは10〜20 cm/秒程度で設定し,適宜調整する.パルスドプラ波形から,ATおよびPSVを計測する(波形パターン分類は行わない).
足背動脈長軸像および後脛骨動脈パルスドプラ波形の描出(図4
  1. ① 足背部(足の甲)で第1趾と2趾の延長線上にプローブを置く.
  2. ② カラードプラ下で足背動脈の血流シグナルを描出する.
  3. ③ カラードプラの流速レンジは10〜20 cm/秒程度で設定し,適宜調整する.パルスドプラ波形から,ATおよびPSVを計測する(波形パターン分類は行わない).
膝下血管の波形パターンについて

下肢動脈のパルスドプラによる波形のパターン分類は,膝上(膝窩動脈より中枢)の指標である.膝下の後脛骨動脈や足背動脈では,迷走神経の影響で波形が変化するので,波形パターンの分類は行わないのが基本である.

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