統計ソフトJMPではじめるレポート・論文作成〜表・グラフ作成から検定までノーコードで簡単に!

統計ソフトJMPではじめるレポート・論文作成

表・グラフ作成から検定までノーコードで簡単に!

  • 田久浩志/著
  • 2026年04月20日発行
  • A5判
  • 279ページ
  • ISBN 978-4-7581-2146-0
  • 3,960(本体3,600円+税)
  • 在庫:あり
本書を一部お読みいただけます
※実際の紙面のレイアウトとは異なります

第2章 JMPでグラフや表の作り方を体験しよう

1 はじめに

すでに「Big Class」のテーブルパネルにある▶をクリックすると、自動的に図表が作成されるのを経験しました。ここでは、自分自身の手で、どのようにマウス操作をすれば図表が手際よく作成できるかを体験します。これらの操作を自分の手で確かめておくと、レポートや卒論あるいは報告書などの提出に役立ちます。ただし、細かな解析結果の解説はJMPの[ヘルプ]や、インターネット検索などで調べてください。

 

2 自分でJMPの操作をしてみよう

最初にJMPのサンプルデータフォルダから「Big Class」のファイルを開きます。そうすると図1のような内容が画面左上のテーブルパネルに表示されます。本章ではこの項目について説明をします。ただし、この中の[モデルのあてはめ][性別に値ラベルをセット][年齢に値ラベルをセット][グラフビルダー][JMPアプリケーション:品質を表す6つのグラフ]は少し難易度が高いので本章では扱いません。ここでは、[一変量の分布][二変量の関係]を主に説明します。

図1 テーブルパネル

 

3 一変量の分布を求める

一変量の分布はデータの分布を表示する基本中の基本です。実は教科書のデータと異なり実社会のデータは異常な値や、欠損値や不揃いな値などが混在しそのままでは解析ができません。これらを除いたり修正したりする作業をクリーニング作業といいます。この一変量の分布はこのクリーニング作業に威力を発揮します。

まず「Big Class」を開きます。

 

  • メニューバーから[分析]→[一変量の分布]と選ぶ。
  • [体重(ポンド)]と[年齢]をドラッグして[Y, 列]の隣のウィンドウに配置する。
  • もしくは変数名をクリックして選択し[Y, 列]をクリックする。
  • [OK]のボタンを押す(図2)。

 

図2 一変量の分布を表示する手順

 

操作画面にある[度数]とは

「一変量の分布」の操作の画面にある[度数]の項目は割り当てた変数を頻度(個数、度数)とします。これは、元のデータの個々の値でなく、集計した件数がある場合に使用します。実は集計表で、性別:男/人数:10、性別:女/人数:5などとわかっていれば[Y, 列]に[性別]を、[度数]に[人数]を配置すれば一変量の分布が求まります。このようにすでにWebや書籍や報告書にある表の件数を元にその解析をするときに便利に使えます。

 

操作画面にある[By]とは

[By]を指定すると求めようとする分析を指定した変数ごとに求めます。「Big Class」では[度数]に割り当てる例はありませんが、[By]に[性別]を割り当てられます。つまり[By]に[性別]を割り当てると男と女の性別ごとに分析が行われます。ですので自分で[性別]ごとの身長と体重の分布を求めてみてください。

 

分析結果の表示について

「一変量の分析」の操作の結果、画面の左側で連続尺度の[体重(ポンド)]ではヒストグラム、箱ひげ図、分位点、要約統計量(平均、標準偏差etc.)が表示されます(図3)。画面の右半分の順序尺度の[年齢]では、ヒストグラム、度数が表示されます。

図3 体重と年齢の分布のグラフ

 

ヒストグラム:各変数の分布が棒グラフで示されます(図4①)。

箱ひげ図:ボックスとヒゲなどで構成される図です(図4②)。多くの測定値の分布の概要を把握する便利なグラフです。ボックス内の水平線は標本の中央値を示します。

図4 箱ひげ図

 

箱ひげ図の詳細

図の中のひし形:平均と平均の上下95%を含みます。ひし形の中央を通る線は平均になります。ひし形の上下の頂点は、平均の上95%と下95%を示します。

 

ワンポイントアドバイス 

平均の上下95%とは

 

ここで、平均の上下95%という意味を少し詳しく説明します。今回のデータは多くのデータの一部を取り出した標本です。標本を取り出すごとにその平均値は微妙に異なります。そのため、標本の平均はだいたいここら辺にある、つまり標本平均の95%はここら辺にあるのを示すのが、この「平均の上下95%」という表現です。データの95%がここにあるという意味ではなく、標本平均がここら辺にあるのを示すのがこのひし形です。

 

:箱の下端は25分位点、上端は75分位点を表し、それぞれ第1四分位数(Q1)と第3四分位数(Q3)ともいわれます。

第1四分位数と第3四分位数の差は四分位範囲(Interquartile Range:IQR)と呼ばれIQR=Q3−Q1となります。

ヒゲ:箱には両端から伸びる線があり、ヒゲと呼ばれます。ヒゲは箱の両端から下記の距離内に入る一番外側のデータ点まで伸びています。

    下側:Q1−1.5×IQR

    上側:Q3−1.5×IQR

これらのヒゲの範囲を越した点は個別に小さなドットの点で表現されます。上記の一変量のグラフでも、体重で外れ値の可能性がある点が図の上のほうに示されています*1

 

*1 なお、箱ひげ図はExcelや統計ソフトによって定義が異なるので、もし他の解析ツールを使うときは箱ひげ図の定義を再確認してください。

 

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