書 評
〜「膠原病が気になるかも?」と思う先生には,ぜひとも手にとっていただきたい一冊〜
橋本 求
(大阪公立大学大学院医学研究科 膠原病内科学 教授)
「やられた!!!」この本を読んだ時の,私の正直な第一印象である.
まずは,表紙タイトルである.「この患者さん リウマチ・膠原病かも?」というタイトルの最後の「かも?」が,小文字で縦書きになっており,膠原病というともすれば難解な病気を目の前にした時の,一般内科医の心細い気持ちを表している.しかし,そこからのタイトルは,「―と迷ったときの診断のカンどころ 専門医に聞きました!一般内科外来でよくある症例の見分け方」と力強く続き,「この本を読めば大丈夫!」という気持ちにさせてくれる.
次は,執筆陣である.この本の執筆者には,臨床の第一線で活躍している気鋭の若手医師から,大御所の教授らまでもが含まれている.しかも,彼らの所属は書いてあれど,肩書はない.編者の吉田常恭氏が,彼らに「肩書は関係なく,一膠原病内科医として書いてください」と頼んだということであろう.吉田氏はさらに,SNSを通じても広く執筆を呼びかけたという.膠原病内科医であれば,だれもが人に語りたくて仕方がない自分の診察の「ツボ」をもっている.その「ツボ」を吉田氏がうまく突いたと言えるだろう.吉田氏はさらに,読者に向かっても「次の書籍では,ぜひ皆様自身が執筆者として新たな知見を共有してほしい」と呼びかけている.新時代の到来を予感させる編集手法である.
タイトルと執筆者につられて,思わず最後まで読んでしまった.どの原稿にも,膠原病内科医であれば必ず遭遇したことがあるであろう「あるある」の臨床場面と,それを実際に経験してきたからこそ書ける珠玉のパールが描かれており,「うんうん」と頷きながら読んだ.この本を読んでいただければ,膠原病学がどれほど多様で,奥深い学問であるかを感じていただけるであろう.この本を読んで,膠原病についてさらに深く知りたくなった人には,同じ羊土社から出ている拙著「すべての臨床医が知っておきたいリウマチ・膠原病の診かた」も,おススメである!
この本がGノートシリーズにあるのもよい.評者自身も,最初は総合内科医として医師キャリアをスタートし,その後,膠原病内科の道を進むこととなった.その際,各分野の専門の先生方がエッセンスを書き下してくれるGノートは,進みたい診療科を決める「味見」に大変役立った.「私は,膠原病に興味があるのかも?」と思われる先生には,ぜひともご一読いただきたい本である.
