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第3章 ⼼エコー基本断⾯の描出を学ぼう
4 胸骨左縁アプローチ:長軸像
- 胸骨左縁長軸像は心エコー図検査において最も基本となる断面であり,器質的心疾患のスクリーニングには不可欠であるとともに,心腔の基本的計測に用いられる.まずは正しい胸骨左縁長軸像の描出をマスターしよう.
1 プローブの位置と向き
- 胸骨左縁における長軸とは被験者の左脇から右肩に向けて伸ばした直線の方向であり,インデックスマークが右肩方向へ向くようにプローブを持つ.
- 長軸方向に向かって超音波が照射されるようにプローブの向きを調整し,プローブを第4肋間に置く(図1,movie1).
- 胸骨の下にある心臓の位置を意識して,プローブの向きが胸骨左縁から心臓へ向かうように調整する.
- プローブが胸骨から側方へ離れるほど,介在する肺が厚くなって心臓の描出が難しくなる.プローブは,できるだけ胸骨に近い位置で操作する.
- 胸骨左縁では第4肋間が基本であるが,胸骨左縁で肋間を上下にスライドさせながら最も適切な断面が描出される位置を見つける(図2,movie3)
- 正しい高さの肋間では,心室中隔と左室後壁が水平に描出される(図2).肋間が上過ぎると,大動脈や左房が前方に描出され,肋間が下過ぎると左室心尖部が前方に描出される.
- 視野深度(depth)は15 cm前後が標準であるが,体格に合わせて視野深度も調整する.
2 正しい胸骨左縁長軸像か確認する
- 大動脈,左房,左室,大動脈弁,僧帽弁が明瞭に観察可能な断面である.
- 心室中隔と左室後壁が水平に描出されている(movie3).
- 左室中央を通り,左室内径が最大に描出される断面である.この断面では乳頭筋が描出されないことに注意する(図3).乳頭筋が描出される断面では,左室内径は過小評価,左室壁厚は過大評価される(movie4).
- 大動脈弁と僧帽弁の接合が明瞭に観察される.
3 胸骨左縁長軸像での評価項目
- 心エコー図検査における最も基本的な断面であり,胸骨左縁長軸像には重要な心腔や弁が含まれる(図4).胸骨左縁長軸像だけで,多くの器質的心疾患のスクリーニングが可能である.
- 左室壁厚や左室拡張期径/収縮期径,左房径,大動脈弁径などの基本計測を行う.
- 大動脈弁と僧帽弁の解放運動の異常を評価する.また,カラードプラ法を用いて逆流を評価する.
| 観察項目 |
|---|
| 大動脈,左房,左室,右室,大動脈弁,僧帽弁 |
Point 評価すべき心腔や弁が描出できる正しい胸骨左縁長軸像を描出する
- 心室中隔や左室後壁は画面において水平方向に描出される.
- 大動脈弁や僧帽弁の接合が明瞭に観察される.
- 左室は乳頭筋が見えない左室中央の断面であり,左室内径が最大に描出される.
