実験医学増刊 Vol.26 No.5

再生医療へ進む最先端の幹細胞研究

注目のiPS・ES・間葉系幹細胞などの分化・誘導の基礎と,各種疾患への臨床応用

  • 山中伸弥,中内啓光/編
  • 2008年03月11日発行
  • B5判
  • 235ページ
  • ISBN 978-4-7581-0289-6
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
    PDF版:あり
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最近の幹細胞研究・再生医療の進展は目覚ましく,連日ニュースを賑わしています.本書は,厳しい競争の最前線で活躍する基礎および臨床の研究者によって執筆された,まさに最新の知見を集約したレビュー集です.

目次

−概論− 幹細胞研究のパラダイムシフトおよび臨床応用への展望【山中伸弥】

  • Cellular Shuttling
  • 幹細胞の臨床応用
  • 基礎研究から臨床応用への課題
  • 幹細胞をめぐる法制

第1章 幹細胞の基礎医学

1.多能性を司る機能をもつ転写因子【中武悠樹,丹羽仁史】

  • ES細胞およびEpiS細胞で共に発現が維持されている遺伝子
  • ES細胞に高く発現し,EpiS細胞で発現が抑制されている遺伝子
  • EpiS細胞に高く発現し,ES細胞で発現が抑制されている遺伝子

2.人工多能性幹細胞(iPS細胞)【高橋和利,山中伸弥】

  • ヒトES細胞の課題
  • 体細胞培養からの多能性幹細胞作製
  • iPS細胞の改良
  • ヒトiPS細胞の樹立
  • iPS細胞の問題点と今後の課題

3.精子幹細胞による新しい遺伝子改変ストラテジー【竹橋正則,篠原美都,篠原隆司】

  • 精子幹細胞による新しい生殖工学の幕開け
  • 精子幹細胞株(GS細胞)の樹立
  • GS細胞を用いた遺伝子改変テクノロジー
  • 精巣からの多能性幹細胞(mGS細胞)の樹立
  • mGS細胞の起源と樹立メカニズム
  • GS細胞およびmGS細胞の臨床応用の可能性

4.核移植によるES細胞【若山清香,引地貴亮,若山照彦】

  • ntES細胞の樹立
  • ntES細胞の正常性の検討
  • ntES細胞の応用
  • 倫理問題の解決にむけて
  • ntES細胞の今後と課題

5.神経幹細胞の分化を制御する細胞内シグナルの相互作用【田賀哲也】

  • 神経幹細胞からニューロン・アストロサイト・オリゴデンドロサイトへの分化を促進する細胞内シグナル
  • 神経幹細胞の分化制御シグナル間における抑制性の相互作用
  • アストロサイト分化シグナルを増幅する2つのシグナルループ
  • 神経幹細胞の分化を制御するゲノム側の要因

6.間葉系幹細胞の増殖と分化【戸口田淳也,青山朋樹,柴田弘太郎ロバーツ,吹上謙一】

  • 真のMSCを求めて
  • MSCの増殖能について
  • MSCの多分化能に関して

7.間葉系幹細胞の同定とその分離法【馬渕 洋,森川 暁,砂堀毅彦,松崎有未】

  • 間葉系幹細胞の同定と分離の問題点
  • 間葉系幹細胞の予期的な同定

8.組織幹細胞への分化─ES細胞研究からの知見【江良択実,西川伸一】

  • マウス発生における中胚葉・内胚葉の分化
  • ES細胞から中胚葉系細胞への分化
  • 中・内胚葉細胞の可視化と分化誘導およびそこからの内胚葉細胞への分化
  • 間葉系幹細胞の医療への利用
  • ES細胞から間葉系幹細胞への分化
  • ES細胞分化システムでの間葉系幹細胞の前駆細胞
  • マウス発生における間葉系幹細胞の新・分化経路

9.造血幹細胞を守る冬眠維持機構と骨髄ニッチシグナル【山崎 聡,中内啓光】

  • In-droplet免疫蛍光染色法によるシグナル解析方法の確立
  • 造血幹細胞の細胞周期
  • 造血幹細胞のlipid-raft集積細胞内シグナル
  • 代謝,寿命に関わるFOXO転写因子
  • TGF-βシグナルによる擬似ニッチの構築

10.幹細胞とニッチ【新井文用】

  • 造血幹細胞ニッチ
  • 造血ニッチ因子

11.造血幹細胞のニッチとケモカインCXCL12【長澤丘司,杉山立樹】

  • 造血幹細胞ニッチは,骨表面のSNO細胞か洞様毛細血管内皮細胞か?
  • ケモカインCXCL12-CXCR4シグナルの成体の造血幹細胞における役割
  • 新しい造血幹細胞ニッチの候補:CAR細胞

12.心臓内幹細胞の特性と自己複製制御機構【王 英正,立石健人,松原弘明】

  • 心臓内幹細胞の実在性
  • 単一細胞からの心臓内幹細胞の単離
  • 心臓内のTERT発現細胞と幹細胞ニッチ
  • 心臓内幹細胞の分化および増殖能の制御機構
  • 幹細胞の増殖能と虚血心への細胞移植との関連
  • Wnt/β-cateninで増殖制御されている心筋前駆細胞

13.皮膚の幹細胞【西村栄美】

  • 表皮幹細胞(毛包間表皮幹細胞と毛包幹細胞)
  • 色素幹細胞

14.角膜に存在する神経堤幹細胞【吉田 悟,榛村重人】

  • 角膜実質・内皮の形成
  • 角膜実質幹細胞・内皮幹細胞

第2章 幹細胞の臨床応用

1.大型動物を用いたサルES細胞の移植実験【花園 豊】

  • 臨床応用の障壁
  • 培養・遺伝子操作の問題
  • サルへの移植実験
  • 他の動物への移植実験

2.ヒトES細胞と神経分化【六車恵子,笹井芳樹】

  • ES細胞からの神経分化
  • ヒトES細胞の培養における問題点

3.幹細胞を用いた神経再生医療【橋 淳】

  • 幹細胞を用いた神経再生の治療戦略
  • 内在性幹細胞の賦活化
  • 幹細胞移植
  • 幹細胞移植実現化に向けての試み

4.骨・軟骨再生テクノロジー─患者間葉系幹細胞を用いた骨・軟骨疾患への再生治療【大串 始】

  • 再生医療に用いられる細胞の由来
  • 骨・軟骨再生に用いられる細胞の種類
  • 骨・軟骨の構造
  • 間葉系幹細胞培養による骨・軟骨形成
  • 培養操作と骨・軟骨再生

5.幹細胞による膵再生と実用化への戦略【山田聡子,小島 至】

  • 糖尿病の発症と膵β細胞量
  • 幹細胞による膵再生
  • 幹細胞による膵再生と実用化への戦略

6.網膜疾患の再生医療【万代道子,高橋政代】

  • 網膜の構造
  • 移植による網膜再生
  • 内在性幹細胞の賦活化

7.幹細胞研究と角膜の再生医学【西田幸二】

  • 角膜上皮の幹細胞研究
  • 角膜上皮の再生

8.内耳障害に対する細胞移植治療【坂本達則】

  • 内耳発生と内耳幹細胞
  • 有毛細胞の幹細胞治療
  • ラセン神経節細胞の幹細胞治療

9.末梢性動脈疾患に対する細胞移植治療【舘野 馨,小室一成】

  • 血管再生治療とは
  • 細胞移植による血管再生治療の開発
  • 細胞移植による血管再生治療の開始
  • 重症下肢虚血に対する細胞移植の実際
  • 血管再生治療の問題点
  • 細胞移植治療の新しい機序

10.ES細胞からの心筋分化【湯浅慎介,福田恵一】

  • 胚性幹細胞から心筋細胞への分化誘導
  • Wntによる胚性幹細胞より心筋細胞への分化
  • BMPおよびNogginによる胚性幹細胞より心筋への分化の調節

11.骨髄由来組織幹細胞による損傷組織再生誘導機構─表皮水疱症の患者さんから学ぶ【玉井克人】

  • 表皮水疱症とは
  • EB皮膚の再生機序
  • 骨髄由来組織幹細胞による損傷組織再生誘導
  • 骨髄由来間葉系幹細胞移植によるEB治療

12.細胞移植療法の材料源としてのラットES細胞からヒト羊膜(幹)細胞まで【田部井 功,石川 博】

  • 再生医学(療)とは
  • ラットearly ES細胞の樹立
  • early ES細胞株からearly ES-hep細胞株の樹立
  • コラーゲンスポンジ内での三次元培養
  • early ES-hep細胞の移植
  • early ES-hep細胞移植による肝不全の治療効果
  • early ES細胞から膵・骨・神経そして心筋組織への分化
  • 羊膜細胞から肝細胞への分化の可能性
  • 羊膜(幹)細胞由来肝細胞組織 (HEAC-L)の作製

13.臨床臓器移植,免疫寛容のメカニズムに迫る─制御性T細胞,γδT細胞,PD-1【小柴貴明,李 頴,呉 艶玲,湊 長博,坂口志文,上本伸二,ジャック・ピレンネ】

  • 制御性T細胞,γδT細胞,PD-1
  • 肝移植・小腸移植後の免疫寛容における移植臓器内の免疫細胞遺伝子発現

14.消化器領域における組織幹細胞の特性【谷口英樹】

  • 肝臓における組織幹細胞の同定
  • 膵臓における組織幹細胞の同定

15.幹細胞の産業化の現状とわが国の課題【段 孝】

  • 再生医療における幹細胞の利用
  • 幹細胞の再生医療がもたらすもの
  • 幹細胞の産業化の現状
  • 日本における幹細胞の産業化の課題と展望

第3章 幹細胞をめぐる法制

1.幹細胞研究等の基礎研究に関する国の規制【野島久美恵】

  • ヒトES細胞指針の策定までの過程
  • ヒトES細胞の樹立や使用に関する指針の改正
  • ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針の運用
  • 生命倫理に関する規制の今後の展望

2.ヒト多能性幹細胞研究における日本と世界の現状【中辻憲夫】

  • ヒトES細胞研究に関する国内外の現状認識
  • ヒトES細胞をめぐる国家戦略と知的財産権
  • なぜ日本はこのような状況に陥ったのか
  • 日本における生命倫理議論の問題点

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