スコープ操作の初歩からEUS・ERCP,トラブル対処まで胆膵内視鏡に必要な知識と技を,熟練ドクターが詳しく解説した大好評書の改訂版!豊富な写真と動画で微妙なコツもよくわかる.最新のWGC法なども解説!
目次
第1章 胆膵内視鏡の基本
1)胆膵内視鏡機器とはどのようなものか【糸井隆夫】
2)胆膵内視鏡はいつ使用するのか【糸井隆夫】
3)胆膵内視鏡に必要な胆膵周辺解剖図【糸井隆夫】
4)胆膵内視鏡に必要なスタンダードプリコーションと処置具の滅菌,消毒【前谷 容/浮田雄生/大牟田繁文】
5)前処置・Sedation(鎮静薬の適切な使い方など)【吉田 仁/北村勝哉/井廻道夫】
6)抗血小板薬・抗凝固薬内服患者のマネージメント【向井俊太郎/後藤田卓志】
7)CO2送気による胆膵内視鏡検査および治療【土屋貴愛】
8)胆膵内視鏡に必要な放射線に関する知識【栗原俊夫】
9)超高齢者における胆膵内視鏡【辻 修二郎/糸井隆夫】
10)インフォームドコンセント【山口康晴】
11)胆膵内視鏡の偶発症の対策(総論)【祖父尼 淳】
12)検査関連報告書の整理 ─入力支援システムと併せて─【田中聖人】
第2章 EUS関連手技
1)標準的描出法
- EUSスコープ挿入操作の基本【糸井隆夫】
- ラジアル式EUS描出法【糸井隆夫】
- コンベックス式EUS描出法【糸井隆夫】
2)EUS画像診断
- 胆道疾患におけるEUS診断フローチャート【糸井隆夫】
- 膵疾患におけるEUS診断フローチャート【糸井隆夫】
3)EUS-FNAによる病理診断【糸井隆夫】
4)EUSガイド下膵仮性嚢胞ドレナージ【糸井隆夫】
5)偶発症の予防と実際【入澤篤志】
第3章 ERCP関連手技
1)スコープ挿入
- スコープ挿入の基本:挿入から十二指腸乳頭正面視【糸川文英】
- スコープ挿入困難例での対処法【糸井隆夫】
2)カニュレーションテクニック
- カテーテルの選択と取り扱い【祖父尼 淳】
- 乳頭の形態とカニュレーション【糸井隆夫】
- カニュレーションの基本:遠望,近望,中間長【浮田雄生/新後閑 弘章/前谷 容】
- 深部挿管【糸井隆夫】
- ガイドワイヤー先行法(Wire-guided cannulation)【糸井隆夫】
- ERCP撮影とその読影法の基本【栗原俊夫】
3)ガイドワイヤーによる処置具の交換
- ガイドワイヤー(GW)の種類【祖父尼 淳】
- ガイドワイヤー(GW)操作の実際【祖父尼 淳】
4)ERCP関連手技に必要な処置具と手技の実際(胆道編)
- EST(内視鏡的乳頭括約筋切開術)【糸井隆夫】
- EPBD(内視鏡的乳頭バルーン拡張術)【安田一朗】
- 截石術,BML(機械式砕石具),バスケット,バルーン【潟沼朗生】
- ENBD(内視鏡的経鼻胆管ドレナージ)【土屋貴愛】
- EBD(内視鏡的胆道ドレナージ術:プラスチックステント【池上覚俊】
- EBD(内視鏡的胆道ドレナージ術:メタリックステント)【花田敬士】
- ENGBD(内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ)【豊田真之/佐野圭二】
- EGBS (内視鏡的胆嚢ステンティング)【池内信人】
- IDUS(胆管内超音波検査)【高橋邦幸】
- 生検組織診・(ブラッシング)細胞診【糸川文英】
- 術後胃(B-I, B-II)におけるERCP【石井健太郎】
5)ERCP関連手技に必要な処置具と手技の実際(膵臓編)
- EPST(内視鏡的膵管口切開術)【糸井隆夫】
- 切石術【栗原俊夫】
- 膵管ステンティング【祖父尼 淳】
- ENPD(内視鏡的経鼻膵管ドレナージ術)【良沢昭銘】
- 膵管IDUS(膵管内超音波検査)【栗原俊夫】
- 生検組織診・(ブラッシング)細胞診【小山内 学】
6)偶発症予防の実際とその対策【糸川文英】
付 録
東京5大学勉強会(現Tokyo ERCP Technical Conference) 質問集【田中麗奈/梅田純子/殿塚亮祐】
Column
- EUS,ERCPの教育現場から:アメリカ流儀とは?【深見悟生】
- 胆膵内視鏡マスターへの道:雨にもマケズ,風にもマケズ【明石隆吉】
- 胆膵内視鏡マスターへの道:プロフェッショナルを目指して【真口宏介】
- EUS,ERCPの教育現場から:「養殖もの」と「天然もの」【松田浩二】
- ERCP マスターへの道:何でもできる「スーパーマン」は不要か?【猪股正秋】
- 胆膵内視鏡マスターへの道:ERCPをまず100例【乾 和郎】
- ERCPマスターへの道:1例1例を大切に【藤田直孝】
- ERCP雑感:老兵は死なず【安田健治朗】
- ERCPマスターへの道:マスターになりたいならERCPで診断しろ【玉田喜一】
- 英語論文とPriorityについて【山雄健次】
- ERCP温故知新? 其の壱:ERCPistに求められるもの【両角克朗】
- ERCP温故知新? 其の弐:至高のテクニック【両角克朗】
- ERCP温故知新? 其の参:デバイスの進歩そして術者の進歩【両角克朗】
- 胆管造影100%への道【長谷部 修】
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消化器内視鏡の中で胆膵内視鏡は治療手段としてますます重要になっている。欧米では、大腸内視鏡とともにERCP関連内視鏡が花形である。もちろん正確な診断があってのことであるが、消化器内視鏡の現状と未来は治療手段としての発展であろう。
本書は好評であった初版(2008年発行)を改訂したものであるが、編者の糸井先生も述べているように「最近報告されている手技」を追加して編集されており、学会での討論にも活用できる強みが感じられる。新たな手技は必要に迫られて生み出されるもので、注意点は「やってみなければわからない」ものである。編者も述べている通り手技には完成したものはない。悪戦苦闘して出来上がった手技を次世代へ伝承していくのが先達の務めであろう。また、入門書らしく乳頭部へのカニュレーションに至る前の章立てに約100ページが割かれていて、注意点が事細かに記述されている。必要に応じて読み返すのに便利である。筆者の病院で若い世代に読書感を聞いたところ、すでに初版本は購入して活用しており、入門書として是非薦めたいとのことであった。
胆膵内視鏡はデバイスの開発とEUSの活用で変貌したともいえよう。例えばガイドワイアなしの手技は考えられず、切石、ステント挿入、極細スコープの挿入などにも必須の手段となっている。特にEUSに関しては治療への導入が我が国で遅れていたので危惧していたが、やっと欧米に肩を並べられるようになってうれしく感じている。また、抗凝固剤使用に対する考え、セデーションに対する細かい配慮等についても時代に即した考えと使用法を紹介してくれて親切である。出血を伴う手技が多いだけに読者の手助けになろう。このように、使いこなすべき手段についても細かい配慮と記載がされている。
基本的な事項は糸井先生と東京医科大学のグループによって記述されているので、主要部分にブレがないのが大変良かったと思う。執筆者が多いと得てして読者はどうして良いかわからなくなるものであるが、それがないのは本書の利点であろう。本書は、東京5大学の研究会が母体となって生まれたそうである。筆者も研究会へ出席したことがあるが、活発な議論からいろいろなヒントがあったに違いない。また、分担筆者は44名に上るが、各項目の執筆者のほかに、指導者層のベテランの先生方がコラム欄にアドバイス的な事項を述べていて肩の凝らない、楽しい読みものになっている。
現在の基本手技は第一世代のわれわれ内視鏡医には理想であって現実ではなかった。若い世代には本書を参考にして新たな手技を、デバイスを開発してほしいと期待している。(藤田力也[昭和大学名誉教授・癌研有明病院顧問・横浜新緑総合病院理事長])
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- 【本書名】胆膵内視鏡の診断・治療の基本手技 改訂2版
- 【出版社名】羊土社
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