実験医学増刊 Vol.24 No.2

ここまで進んだ幹細胞研究と再生医療2006

幹細胞の分化を運命づけるメカニズムから臨床応用の取り組み、産業化の展望まで

  • 田賀哲也,中畑龍俊/編
  • 2006年01月16日発行
  • B5判
  • 208ページ
  • ISBN 978-4-7581-0268-1
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
    PDF版:あり
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幹細胞研究と再生医療の現状をわかりやすく紹介!幹細胞の維持・分化に関わる分子機構から,臨床におけるさまざまな幹細胞の医療への応用,再生医療の倫理的問題や産業化への課題までを網羅した最新情報満載の1冊!

目次

第1部 幹細胞の基礎的研究

概論:再生医療の実現のための幹細胞制御の基盤的研究【田賀哲也】

  • はじめに
  • 幹細胞特性を巡る事象

第1章 幹細胞はどうして幹細胞でいられるのか

1. ES細胞で特異的に発現する遺伝子群ECATと分化多能性【山中伸弥】

  • ES細胞で特異的に発現する因子による多能性維持機構
  • 分化細胞でも発現する因子による多能性維持機構

2. Lnk, Bmi-1による 造血幹細胞の自己複製制御機構~造血幹細胞はどのように自己複製するのか【清田 純,小黒秀行,中内啓光】

  • アダプタータンパク質Lnkによる造血幹細胞の自己複製の制御
  • ポリコーム群(PcG)複合体による転写抑制維持機構

3. Musashi, Hu, RNA結合タンパク質による神経幹細胞制御【河原裕憲,今井貴雄,赤松和土,岡野栄之】

  • Musashiタンパク質の発見と神経幹細胞への寄与
  • Huタンパク質の発見と機能
  • 神経細胞分化におけるHuDタンパク質の機能

4. Hes遺伝子群による神経幹細胞の維持~神経幹細胞の分化にブレーキをかける分子【畠山 淳,影山龍一郎】

  • Hesによる神経幹細胞の未分化性維持
  • 神経幹細胞の維持機構がなくなるとどうなるのか?
  • 神経幹細胞を維持しなくてはならないわけ
  • 神経幹細胞の性質の変化

5. 毛包における幹細胞ニッチの同定と幹細胞維持機構【大沢匡毅】

  • 毛包の構造
  • 毛包の毛周期
  • 毛包中の幹細胞システム
  • 毛包の幹細胞ニッチにおける幹細胞制御機構

6. 組織幹細胞の機能異常と「癌」【谷口英樹,千葉哲博】

  • 肝臓における組織幹細胞の分離
  • 幹細胞の自己複製と癌化の関連性
  • 組織幹細胞と多段階発癌
  • 癌腫中に存在する癌幹細胞

第2章 幹細胞の運命を変えるしくみ

1. ES細胞から膵β細胞への誘導~ES細胞を膵β細胞へ向かわせるもの【白木伸明,粂 昭苑】

  • ES細胞から膵臓へ
  • 膵分化誘導実験における問題点
  • TGFβシグナルとcmix遺伝子による膵前駆細胞の誘導

2. ES細胞を用いた試験管内での神経分化誘導~終脳前駆細胞と神経網膜前駆細胞【池田華子,渡辺毅一,高橋政代,笹井芳樹】

  • 従来からのES細胞の神経分化法
  • フィーダーや血清,レチノイン酸を用いない神経分化の実験系の構築
  • SFEB法を用いた神経網膜前駆細胞の分化
  • ES細胞由来の神経網膜前駆細胞から視細胞への分化

3. 転写因子群の相互作用とクロマチン動態による分化制御~神経幹細胞の運命づけを左右する内外要因のせめぎあい【田賀哲也】

  • 転写制御シグナルの相乗作用と相互牽制作用によるニューロン-アストロサイト間の排他的分化制御
  • 転写制御シグナルの相互牽制作用によるアストロサイト-オリゴデンドロサイト間の排他的分化制御
  • 細胞内在性プログラムとの相互作用

4. オリゴデンドロサイト前駆細胞の脱分化とエピジェネティクス変化【近藤 亨】

  • OPC分化と脱分化
  • OPC脱分化とSox2
  • sox2発現の制御機構

5. 精巣由来多能性幹細胞multipotent Germline stem(mGS)細胞の樹立【篠原美都,篠原隆司】

  • 多能性幹細胞の可能性と現在の問題点
  • 精子幹細胞株GS(Germline stem)細胞の樹立
  • 精巣由来多能性幹細胞(mGS細胞)の樹立
  • 多分化能は生後の生殖細胞にも存続する
  • mGS細胞のゲノムインプリンティング
  • mGS細胞の源は精子幹細胞である?
  • 精子幹細胞テクノロジーの可能性

6. 体細胞から作られたES細胞の正常性~クローン技術は再生医療に利用できるのか【引地貴亮,岸上哲士,若山照彦】

  • 核移植技術と初期化の問題点
  • NT-ES細胞の樹立とその特性
  • NT-ES細胞による生殖の応用
  • NT-ES細胞に対する疑問

7. 唾液腺由来内胚葉系幹細胞の展望【遠藤文夫,松本志郎,奥村健治】

  • 組織障害モデルにおける幹細胞の出現
  • 唾液腺の組織障害モデル
  • マウス唾液腺由来幹細胞
  • SGP細胞の特徴と唾液腺の発生
  • 唾液腺由来細胞のin vitroにおける分化能
  • マウス唾液腺由来幹細胞の肝臓移植
  • ブタ唾液腺由来幹細胞と幹細胞の支持因子
  • 今後の展望

第2部 幹細胞の臨床応用

概論:幹細胞を用いた再生医療の進展【中畑龍俊】

  • 臨床応用される幹細胞
  • 体性幹細胞の可塑性と再生医療への応用の可能性
  • 幹細胞を用いた再生医療の現状
  • 幹細胞を用いた臨床研究のための指針

第3章 ここまで来ている再生医療

1. 血管内皮前駆細胞を用いた再生医療【美舩 泰,松本知之,岩崎弘登,川本篤彦,浅原孝之】

  • 血管内皮前駆細胞の発見と血管形成への関与
  • 血管内皮前駆細胞の特性
  • 血管内皮前駆細胞による血管再生療法
  • 血管内皮前駆細胞の臨床応用における問題点と将来的展望
  • 血管内皮前駆細胞移植による心筋再生
  • 血管内皮前駆細胞移植による骨再生
  • 血管内皮前駆細胞移植の臨床試験と安全性

2. 幹細胞による心筋再生医療の現状と将来【永井敏雄,小室一成】

  • 胚性幹(ES)細胞
  • 組織幹細胞
  • 心筋幹細胞

3. 脊髄再生~特に神経幹細胞移植について【山根淳一,戸山芳昭,岡野栄之】

  • 脊髄損傷とは
  • 脊髄損傷の病態と治療戦略
  • 2次損傷を防ぐ治療法
  • 軸索伸展阻害因子
  • 神経幹細胞移植
  • リハビリテーション

4. 体性幹細胞を用いた網膜再生【小坂田文隆,高橋政代】

  • 発生学から見た眼組織
  • 網膜における内在性幹細胞による神経再生
  • 視細胞分化の試み
  • 虹彩組織の可能性

5. 体性幹細胞による内耳再生【中川隆之,伊藤壽一】

  • 内耳に組織幹細胞は存在するのか
  • 内耳への神経幹細胞移植
  • 骨髄由来幹細胞移植の内耳への応用
  • 骨髄由来間葉系細胞

6. 自己骨髄細胞を用いた肝臓再生療法の開発 ~基礎研究から臨床研究へ【石川 剛,寺井崇二,坂井田 功】

  • 骨髄細胞から肝細胞への分化・増殖評価モデル(GFP/CCl4モデル)
  • 骨髄細胞から肝細胞への分化過程に関与する増殖因子の検討
  • recombinant FGF(rFGF)併用骨髄移植による慢性肝障害改善効果とその分子制御機構
  • 臨床研究「自己骨髄細胞を用いた肝臓再生療法」

7. ex vivo増幅造血幹細胞を用いた臍帯血移植【伊藤仁也,中畑龍俊】

  • 造血幹細胞の同定と測定法
  • 造血幹/造血前駆細胞のex vivo増幅
  • SCF+TPO+FL+sIL-6R/IL-6による臍帯血CD34陽性細胞の増幅
  • 臍帯血由来ex vivo増幅造血幹細胞/造血前駆細胞を用いた臨床研究
  • ex vivo増幅臍帯血移植のトランスレーショナルリサーチ

8. NOD/SCID/γcnullマウスモデルを用いたヒト幹細胞アッセイ系【平松英文】

  • 従来のNOD/SCIDマウスモデル
  • NOGマウスを用いたヒト造血系の再構築
  • NOGマウスを用いたヒトリンパ球系の再構築
  • NOGマウスにおけるヒト肥満細胞の分化
  • NOGマウスにおけるヒト肝細胞の生着

第4章 再生医療の展望~倫理的課題,制度上の問題と産業化への課題

1. ヒト幹細胞を用いた再生医療の倫理問題【位田隆一】

  • ヒト胚性幹細胞(ES細胞)研究
  • 体細胞核移植胚(クローン胚)研究
  • 体性(組織)幹細胞臨床研究

2. ヒト胎児組織・細胞を用いた医学研究と再生医療への応用の可能性~国内外の現状と問題点【金村米博】

  • ヒト胎児由来組織・細胞の基礎研究への利用
  • ヒト胎児由来組織・細胞の再生医療研究への利用
  • ヒト胎児組織・細胞を用いた再生医療研究の問題点

3. 我が国の再生医療産業化において何が問題か【大野邦夫】

  • 再生医療産業化のプロセス
  • 細胞・組織確保の問題
  • 細胞・組織利用製品に対する規制の問題
  • ビジネス上の問題点

4. ヒト由来試料の利用をめぐっての対話【鈴木美香,西川伸一】

  • 臓器移植のあるべき姿とは?
  • 新しい医療技術と社会における受容
  • 提供される試料の匿名化の是非
  • なぜ研究をするのか

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