実験医学増刊 Vol.24 No.20

免疫研究最前線2007

  • 宮坂昌之,田中稔之,竹田 潔/編
  • 2006年12月05日発行
  • B5判
  • 244ページ
  • ISBN 978-4-7581-0275-9
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
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免疫系の発生や応答を制御する新しい分子や細胞群が次々と発見され,その成果は,免疫監視システム全体の関連を明らかにしつつある.本書は免疫学研究の最新知見をあますところなく,盛り込んだ一冊です.

目次

概論:免疫学の挑戦2007 免疫監視システムの統合的な理解とその制御にむけて【田中稔之,竹田 潔】

  • 免疫系の形成
  • 自然免疫応答の制御
  • 獲得免疫応答の調節
  • 免疫細胞のシグナル伝達
  • 免疫細胞の動態
  • 免疫系の破綻と疾患

第1章 免疫系の形成

1. pre-TCRを介するシグナル伝達機構【山崎 晶】

  • pre-TCRシグナル伝達の分子機構
  • pre-TCRと急性リンパ性白血病

2. T細胞レパトア形成と胸腺微小環境【新田 剛,高浜洋介】

  • T細胞レパトア形成の「場」としての胸腺微小環境
  • 胸腺髄質の構築と自己寛容の確立
  • 胸腺髄質における制御性T細胞の産生と樹状細胞
  • 胸腺髄質上皮細胞による組織特異的自己抗原の無差別発現と負の選択
  • 組織特異的自己抗原を提示する胸腺内抗原提示細胞
  • 胸腺細胞の髄質移動とレパトア形成

3. 粘膜免疫系のポータルサイト,FAEとM細胞【大野博司,長谷耕二】

  • FAEとM細胞
  • FAE・M細胞特異的に発現する遺伝子
  • FAE・M細胞に発現するケモカインの役割
  • 絨毛M細胞

4. ヒト化マウス(humanized mouse)〜ヒト免疫系をもつマウス【渡邊 武】

  • NOD/SCID/γC-/-マウスあるいはRag2null/γCnullマウスとヒト化マウスの確立
  • ヒト化マウスの作製
  • ヒト化マウスの免疫学的性状
  • ヒト化マウスの応用
  • 次世代ヒト化マウスに向けて
  • ヒト化マウスの将来展望

第2章 自然免疫応答の制御

1. 自然免疫によるウイルス認識【植松 智,審良静男】

  • 自然免疫
  • TLRとウイルス認識
  • TLR非依存的な抗ウイルス応答

2. IKKファミリーによる自然免疫シグナル【改正恒康】

  • IKKファミリーの機能
  • 樹状細胞におけるIKKαの機能
  • 核酸系免疫アジュバントと自己免疫

3. IRFファミリーと自然免疫シグナル【本田賢也】

  • TLRシグナルにおけるIRFの役割
  • 細胞内RNA認識受容体シグナルにおけるIRFの役割
  • その他の自然免疫受容体シグナルにおけるIRFの役割-細胞質DNA認識経路

4. IL-15による自然免疫賦活メカニズム【桑島精一,樗木俊聡】

  • CpG DNAによる免疫賦活機構
  • IL-15の生産分泌機構と免疫系における役割
  • CpGによる免疫賦活誘導におけるIL-15の重要性

5. 自己のDNAによる自然免疫の活性化【岡部泰賢,長田重一】

  • アポトーシス時のDNA分解にはCADとDNase(監)が関与する
  • DNase(監)は赤血球前駆細胞から脱核したDNAの分解にも関与する
  • DNase(監)欠損マウスではIFN-βが誘導され,胎生致死を引き起こしていた
  • 未分解のDNAを蓄積したマクロファージでの遺伝子活性化
  • TLR非依存的なIFN-β遺伝子の活性化
  • 分解を逃れたDNAによる遺伝子活性化

第3章 獲得免疫応答の調節

1. IL-6による樹状細胞のMHC発現制御機構【守川英幸,村上正晃】

  • DCの成熟化
  • DCにおけるMHC(監)による抗原ペプチドの提示
  • IL-6-STAT3経路によるMHC(監)の発現抑制

2. NotchによるヘルパーT細胞の分化制御機構【久保允人,田中伸弥】

  • Notchシグナル
  • NotchシグナルによるTh1分化
  • NotchシグナルによるTh2分化
  • IL-4遺伝子座に存在するcis-acting領域とNotchシグナル
  • CNS-2はメモリー型T細胞特異的に初期IL-4産生を制御する
  • NotchシグナルによるCNS-2エンハンサー制御
  • IL-4を産生するメモリー型T細胞はエフェクターTh2由来か?

3. Th2細胞分化のエピジェネティック制御【山下政克】

  • Th2細胞分化に伴うTh2サイトカイン遺伝子座のクロマチンリモデリングの誘導
  • Th2細胞分化とヒストンアセチル化
  • GATA3/ヒストンH3-K4メチル化を介したTh2サイトカイン産生能の維持機構
  • ヒストンメチル基転移酵素MLLによる,Th2サイトカイン産生とGATA3発現の維持

4. CD8+CD122+制御性T細胞【鈴木治彦】

  • CD8+CD122+制御性T細胞の発見とその生体恒常性維持における重要性
  • CD8+CD122+T細胞による制御の分子的メカニズム
  • CD8+CD122+制御性T細胞の疾患への適用

5. プロスタノイドによる免疫制御〜遺伝子改変マウスを用いて明らかになったこと【本田哲也,坂田大治,松岡俊行,成宮 周】

  • プロスタノイドの合成および受容体
  • プロスタノイドによる免疫制御

第4章 免疫細胞のシグナル伝達

1. Rap1によるB細胞の制御〜B細胞分化と自己寛容【服部雅一,湊 長博】

  • SPA-1遺伝子破壊マウスの性状について
  • SPA-1-/-マウスにおける自己免疫疾患の発症

2. B細胞特異的に発現するアダプター分子,BANKの機能【饗場祐一,黒崎知博】

  • BANKの機能解析
  • BANKはどのようにしてAkt活性を負に制御するのか?
  • BANKによるB細胞応答抑制の意義とは?

3. epithelial-mesenchymal transitionにおけるサイトカインシグナルと亜鉛シグナルの役割【宮城智恵美,加々良尚文,山下 晋】

  • サイトカインシグナルによるEMT制御
  • サイトカインシグナルと亜鉛トランスポーター
  • 亜鉛トランスポーターとEMT
  • 亜鉛シグナル

4. 自然免疫と獲得免疫の両免疫系の要となる共通の制御因子【鈴木信孝】

  • IRAK-4は,自然免疫においてTLRを介したシグナル伝達機構に必要不可欠である
  • 自然免疫系におけるIRAK-4のシグナル伝達経路の制御
  • IRAK-4キナーゼ活性
  • ヒトのIRAK-4欠損患者
  • IRAK-4欠損によるT細胞での機能低下
  • TCRシグナル伝達において,NF-κBをONにするスイッチ分子としてのIRAK-4

5. ユビキチン関連分子Ubc13による自然免疫および獲得免疫の制御【山本雅裕,審良静男】

  • Ubc13:E2ユビキチン抱合酵素
  • マクロファージにおけるUbc13の役割
  • B細胞の発生および活性化におけるUbc13の役割
  • T細胞におけるUbc13の役割
  • TAK1のリン酸化とNEMO/IKKγのポリユビキチン化におけるUbc13の役割

第5章 免疫細胞の動態

1. HEVに発現する新規ホーミング制御分子nepmucin【梅本英司,田中稔之,宮坂昌之】

  • HEVに発現するL-セレクチンリガンド
  • リンパ節HEVに発現する新規シアロムチンnepmucinの同定
  • nepmucinはL-セレクチン結合性糖鎖修飾を受け,リンパ球ローリングを媒介する
  • nepmucinはIgドメインを介して,リンパ球接着を促進させる
  • nepmucinのその他の機能

2. レチノイン酸による腸管特異的リンパ球ホーミングの制御【岩田 誠】

  • ビタミンAの代謝
  • ビタミンA欠損による乳幼児の死と小腸T細胞の消失
  • 組織特異的リンパ球ホーミングとホーミング受容体
  • レチノイン酸はT細胞に小腸へのホーミング特異性を刷り込む
  • 樹状細胞によるT細胞ホーミング特異性の制御
  • α4β7T細胞が関与する疾患とその制御の可能性

3. 形質細胞の分化制御と移動制御【義江 修】

  • 形質細胞分化の転写制御
  • 形質細胞への分化経路
  • 形質細胞でのケモカイン受容体発現と組織ホーミング

4. 好中球遊走を制御するRac活性化分子DOCK2【福井宣規】

  • 好中球動態制御にかかわる2つの重要な分子-PI3KγとRac
  • DOCK2とは
  • DOCK2は好中球GPCRの下流で機能するRac活性化分子である
  • DOCK2は好中球の遊走や活性酸素産生を制御する
  • DOCK2はF-アクチンおよびPIP3の集積を介して先導端形成を制御する
  • DOCK2はPI3K依存的に先導端に集積する
  • RacとPIP3を介した正のフィードバック機構とDOCK2

第6章 免疫系の破綻と疾患

1. AIREと自己免疫疾患【松本 満】

  • APECEDとAIRE
  • 疾患モデルマウスを用いたAIREの機能解析

2. 好塩基球が主役を演じる慢性アレルギー炎症【烏山 一,向井香織】

  • IgEが即時型アレルギーのみならず慢性アレルギーも引き起こす
  • IgE依存性慢性アレルギー炎症にはマスト細胞もT細胞も必要ない
  • 好塩基球がIgE依存性慢性アレルギー炎症の責任細胞である
  • 好塩基球が主役を演じる慢性アレルギー炎症誘導機構

3. 自己免疫疾患関連遺伝子のゲノムワイド解析【山田 亮】

  • 自己免疫疾患の特異性と共通性

4. 滑膜細胞増殖を標的とする関節リウマチ新治療法の開発【上阪 等】

  • 関節リウマチの病態
  • 関節リウマチ滑膜線維芽細胞は癌細胞か
  • 現在の関節リウマチ治療法が目指すもの
  • 細胞周期制御療法

5. IL-18と線虫感染【善本知広】

  • 線虫感染で誘導される小腸粘膜特異的マスト細胞
  • IL-18の生体内投与で誘導されるmMCP-1MMC
  • IL-18によるmMCP-1MMC誘導のメカニズム
  • IL-18によって誘導されるMMCによるSv成虫の排除
  • 内因性IL-18によるMMC誘導とSv感染防御作用

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