イラストレイテッドシリーズ:がん生物学イラストレイテッド
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イラストレイテッドシリーズ

がん生物学イラストレイテッド

  • 渋谷正史,湯浅保仁/編
  • 2011年06月30日発行
  • B5変型判
  • 412ページ
  • ISBN 978-4-7581-2021-0
  • 定価:6,820円(本体6,200円+税)
  • 注文不可
    在庫:なし
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がん遺伝子から治療までがん生物学の必須知識を完全網羅.がんはどこまで解明されたか?今後の課題とは?をそれぞれの分野における国内のパイオニアたちが徹底的に解説.がん克服に挑む,すべての研究者必携の1冊!

目次

序 論がん研究の歴史【渋谷正史】

  • 発がん物質の探索
  • がん遺伝子とレトロウイルス
  • がん抑制遺伝子と高発がん家系
  • シグナル伝達,細胞周期,アポトーシス
  • エピジェネティクス解析によるDNA レベルの遺伝子不活性化
  • 腫瘍血管を中心とするがんの微小環境
  • 浸潤と転移,がん幹細胞の問題
  • 分子標的薬剤の開発,および予防薬の進歩

第1章がんの原因と誘因

1 がんの原因としての変異原物質【戸塚ゆ加里/小沼邦重/落合雅子/中釜斉】

  • 直接変異原物質と間接変異原物質
  • 活性酸素・窒素種による酸化的DNA 損傷

2 腫瘍ウイルス(肝炎ウイルス)【宇治野真之/杉山和夫/下遠野邦忠】

  • ヒト肝細胞に感染するウイルス
  • 肝炎ウイルスの持続感染性
  • HBV とHCV のゲノムおよび産生されるタンパク質
  • 感染サイクル
  • 肝炎ウイルスによる細胞のがん化と腫瘍化の維持
  • 脂肪代謝異常と肝疾患および肝発がん

3 腫瘍ウイルス(HTLV,HPV,EBV など)【渡邉俊樹】

  • 腫瘍ウイルス総論
  • HTLV-1
  • EBV
  • KSHV(HHV8)
  • HPV

4 ヘリコバクターピロリ【畠山昌則】

  • ピロリ菌CagA
  • ピロリ菌CagA の胃上皮細胞内移行
  • ピロリ菌CagA によるSHP2 の脱制御
  • ピロリ菌CagA による細胞極性破壊
  • 個体レベルにおけるピロリ菌CagA の発がん活性
  • 胃がん発症における上皮極性破壊の意義

5 ホルモン【林慎一】

  • ホルモン依存性腫瘍
  • 性ステロイドホルモン生合成とその作用発現
  • がん細胞のステロイドホルモン受容体の標的遺伝子
  • ホルモン療法
  • ホルモンと細胞内リン酸化シグナル経路
  • ホルモンとがん幹細胞説
  • ホルモン依存性腫瘍の微小環境

6 放射線【鈴木啓司/山下俊一】

  • 放射線の種類
  • 放射線によるDNA 損傷の誘発
  • 放射線と発がん

第2章がん遺伝子とがん抑制遺伝子

1 チロシンキナーゼ とRas【丸義朗】

  • TK とは:酵素学的視点
  • 遺伝子進化とグループ化
  • 発現細胞とノックアウト(KO)マウスによる個体生物学的機能の予測
  • 一次構造
  • シグナル伝達
  • 自己抑制と脱抑制(再活性化)の考え方
  • Ras
  • 増殖抑制・細胞死
  • TK による骨格系制御
  • 酵素と基質の生体内利用率

2 白血病がん遺伝子【吉見昭秀/黒川峰夫】

  • 核内転写因子遺伝子
  • チロシンキナーゼ遺伝子
  • セリン/スレオニンキナーゼ遺伝子
  • GTP 結合タンパク質
  • 分子標的療法のこれから

3 N-myc【末永雄介/中川原章】

  • N-mycとがん
  • N-mycの機能
  • N-mycの制御機構

4 Wnt シグナル【菊池章/松本真司】

  • Wnt シグナル伝達経路の概要
  • β-カテニン経路の異常とがん
  • β-カテニン非依存性経路の異常とがん
  • Wnt5a によるがん細胞の運動・浸潤能促進の分子機構

5 EML4-ALK【間野博行】

  • EML4-ALKとは
  • EML4-ALK の診断
  • EML4-ALKの分子標的治療

6 細胞周期,細胞接着にかかわるがん抑制遺伝子【村上善則】

  • がん抑制遺伝子とは
  • がん抑制遺伝子の変異の分子機構
  • がん抑制遺伝子産物の機能
  • 細胞周期の進行を抑制するがん抑制遺伝子
  • 細胞接着と形態形成にかかわるがん抑制遺伝子
  • 家族性腫瘍

7 p53【荒川博文】

  • p53 とは?:発見からタンパク質構造解析までの歴史
  • 標的遺伝子の転写制御因子としてのp53 とその機能
  • p53 とMDM2
  • p53 の上流シグナルとp53 の活性化機構
  • 類似遺伝子やp53 の多様な転写産物の発見
  • 治療への応用
  • 今後の展望

8 TGF-βシステム【江幡正悟/宮園浩平】

  • TGF-βファミリー
  • TGF-βシグナル伝達
  • TGF-βの古典的な二大作用
  • がん細胞に対する二面的な働き
  • がん初期におけるがん抑制作用
  • 進行がんにおけるがん促進作用

第3章がんにおけるゲノム・エピゲノム異常

1 ゲノム異常【稲澤譲治】

  • ヒトゲノムの基本構造
  • がんのゲノム異常
  • がんの染色体異常
  • 前立腺がんと肺非小細胞がんで発見された染色体転座
  • がんのゲノム異常とシグナル伝達経路,分子標的治療薬
  • 次世代シークエンサーによるがんゲノム解析

2 DNA 修復とゲノム不安定性【小松賢志】

  • DNA 修復機構のタイプ
  • 塩基除去修復
  • ヌクレオチド除去修復
  • 相同組換え修復
  • 非相同末端再結合
  • DNA クロスリンク修復
  • ミスマッチ修復

3 エピジェネティクス異常【竹島秀幸/牛島俊和】

  • エピジェネティック修飾
  • がんにおけるエピジェネティック異常
  • エピジェネティック異常の特徴
  • エピジェネティック異常が起きるメカニズム
  • エピジェネティック異常のがん診断・がん治療への応用

4 がんとmicroRNA【鈴木元/高橋隆】

  • miRNA の発見
  • miRNA のがんに果たす役割
  • miRNA とSNP
  • 転写およびプロセシングを標的としたmiRNA 発現調節
  • がん幹細胞研究への展開
  • miRNA によるがんの診断,予後
  • miRNA を用いた治療の可能性

第4章がん細胞の特性

1 細胞周期とテロメア【平井悠吾/石川冬木】

  • 染色体末端テロメア
  • テロメアDNA の短小化と染色体の不安定化
  • テロメア制御における陰陽モデル
  • DNA 損傷応答因子によるテロメア制御
  • テロメラーゼの作用機構

2 オートファジー【西村多喜/水島昇】

  • オートファジーとは?
  • オートファジーの過程
  • オートファジーの分子機構
  • がん抑制遺伝子として働くオートファジー関連遺伝子
  • がんにおけるオートファジーの制御
  • がんの発症進展におけるオートファジーの意義
  • 抗がん剤標的としてのオートファジー

3 がんの細胞死(アポトーシスを中心に)【伊藤亮/米原伸】

  • 細胞死の中心的な機構としてのアポトーシス
  • DNA 損傷とp53 を介するアポトーシス
  • 非アポトーシス細胞死

4 がん幹細胞【吉田剛/佐谷秀行】

  • がん幹細胞とは何か?:腫瘍生物学の新規概念
  • 腫瘍内の不均一性はどのようにして生じるのか?:2つの腫瘍発展モデル
  • 転移・再発にがん幹細胞はどう関係するのか?:臨床的観点からのがん幹細胞

5 多段階発がん【山本英一郎/豊田実】

  • 発がん過程における遺伝子異常
  • 大腸がんの多段階発がん過程における遺伝子異常
  • その他のがんにおける多段階発がん

第5章がんの悪性化:浸潤と転移

1 細胞運動と浸潤【星野大輔/長野真/清木元治】

  • 細胞接着
  • 細胞運動性の亢進
  • ECM分解能の上昇
  • 細胞運動とECM分解を連動させる分子機構

2 上皮間葉転換【下野洋平/高井義美】

  • 発生における上皮間葉転換
  • がんにおける病的な上皮間葉転換
  • 上皮細胞マーカーと間葉細胞マーカー
  • 上皮間葉転換を誘導する細胞外因子
  • 上皮間葉転換の誘導にかかわる細胞表面受容体
  • 上皮間葉転換に関連する転写因子
  • 上皮間葉転換にかかわるmiRNA
  • 上皮間葉転換とがん幹細胞

3 血管とリンパ管【渡部徹郎】

  • 血管とリンパ管による閉鎖循環系の維持
  • 腫瘍血管の形成と性質
  • 血管新生を制御する因子群
  • 血管新生阻害薬
  • 血管内皮間葉移行によるがん関連線維芽細胞の生成
  • 腫瘍リンパ管新生

4 炎症とがん【小野眞弓/渡公佑】

  • 炎症とがんの発症と進展
  • 炎症とがんを関連づける代表的サイトカイン:TNF-αとIL-1α/β
  • 炎症とがんを関連づける免疫/ 炎症細胞:好中球とマクロファージ

5 転移【横田淳】

  • 正常細胞のがん化とがん細胞の悪性化
  • 生体内におけるがん細胞の浸潤と転移の工程
  • 浸潤と転移に関与する分子
  • 転移能獲得の分子機序
  • 浸潤能・転移能獲得の原因となるゲノム・エピゲノム異常

第6章がんと免疫

1 がん抗原【今井奈緒子/池田裕明/珠玖洋】

  • がん抗原の発見の歴史
  • がん抗原同定法
  • がん抗原の分類
  • がん抗原を標的とした特異的免疫療法
  • 今後の展望

2 サイトカインとケモカイン【前田伸治/上田龍三】

  • サイトカインとサイトカイン受容体
  • 炎症性サイトカイン
  • 炎症性サイトカインと腫瘍
  • その他のサイトカイン
  • ケモカインとケモカイン受容体
  • ケモカインと腫瘍

3 樹状細胞【河上裕】

  • 樹状細胞のがん生物学・医学における意義
  • 樹状細胞の機能
  • 担がん生体における樹状細胞の機能障害
  • 樹状細胞が発現する機能分子と制御標的
  • 生体内での樹状細胞の制御
  • 培養樹状細胞を用いたがん免疫療法

第7章がんの分子標的治療

1 イマチニブと耐性克服(FLT3 阻害剤を含む)【鍬塚八千代/直江知樹】

  • 分子標的治療に対する耐性機構
  • 慢性骨髄性白血病(CML)に対するイマチニブ耐性機構とその克服
  • 急性骨髄性白血病(AML)と FLT3阻害剤

2 HER2 抗体(トラスツズマブなど)【辻和香子/戸井雅和】

  • HER2(HER ファミリー)の構造
  • HER2 抗体の種類,作用機序
  • HER2 抗体を併用した臨床試験

3 EGFR 阻害薬(ゲフィチニブなど)【山田忠明/矢野聖二】

  • 上皮成長因子受容体(EGFR)
  • EGFR チロシンキナーゼ阻害剤
  • 抗EGFR 抗体
  • 現在開発中のEGFR 阻害剤
  • EGFR チロシンキナーゼ阻害剤の耐性機構

4 血管新生阻害薬(ベバシズマブなど)【佐藤靖史】

  • VEGF とその受容体
  • 腫瘍血管促進におけるVEGF の意義
  • VEGF シグナルを標的とする血管新生阻害剤
  • VEGF シグナル遮断剤の問題点

第8章がんの診断と治療

1 がん(腫瘍)マーカー【山田哲司/尾野雅哉/本田一文】

  • 腫瘍マーカー
  • 新しい腫瘍マーカー
  • バイオマーカー
  • 国内外の腫瘍マーカーに関する研究活動

2 診断法の進歩(大腸がんを例として)【古賀宣勝/松村保広】

  • がん検診
  • 大腸がん検診としての便潜血検査
  • 便DNA 検査
  • 便RNA 検査
  • 今後のがん検診

3 手術法の進歩【黒川幸典/土岐祐一郎】

  • 手術の歴史と変遷
  • 胃がんの標準手術の確立
  • 縮小手術・低侵襲手術の普及

4 放射線・診断と治療【篠藤誠/山田滋】

  • 放射線によるがんの画像診断
  • 画像診断の目的
  • 画像検査の種類
  • 放射線治療
  • 放射線の生物学的効果
  • 治療方法

第9章各組織・器官のがん生物学

1 肺がん【貫和敏博】

  • 肺がん総論
  • 分子標的薬著効例によるドライバー変異の発見:それは非喫煙者肺がんから始まった
  • ドライバー変異であるEGFR リン酸化酵素活性型変異の発見
  • 臨床におけるエビデンスの確立へ
  • アジア人非喫煙者ドライバー変異頻度の分布
  • 喫煙者肺がん:禁煙と予防医学
  • 肺がんゲノム解析
  • 肺がん研究・臨床の今後の課題

2 大腸がん【山本浩文/森正樹】

  • APC 遺伝子の不活化による大腸腫瘍化の始まり
  • がん抑制遺伝子の不活化
  • 細胞周期制御異常と細胞増殖マーカー
  • COX-2 と大腸腺腫・大腸がん
  • 大腸発がん経路の推定
  • 遺伝子異常パターン解析による大腸がんの発生体系
  • 大腸がん治療と分子標的治療薬
  • がん幹細胞
  • おわりに

3 胃がん【湯浅保仁/秋山好光】

  • 胃がんの分類と発症過程
  • 胃がんの疫学
  • 胃がんを発症する遺伝性疾患
  • 胃がんの感受性に影響する遺伝子多型
  • 胃がんに関連する感染
  • 胃がんにおける遺伝子異常
  • miRNA
  • エピジェネティックな異常
  • 胃がん幹細胞
  • 胃がんのマウスモデル

4 乳がん【戸井雅和/千年松/髙田正泰】

  • がんのリスク要因:乳がんの例
  • がんの亜分類
  • がん細胞と間質細胞
  • 標的治療

5 膵がん【江角浩安】

  • 膵がんの概要
  • 膵がんの原因・疫学
  • 膵がんの診断
  • 治療法
  • 膵がん発生のメカニズムと分子標的薬
  • 膵がんの生物学的特徴
  • 膵がんのこれから

6 脳神経腫瘍【八巻智洋/中川原章】

  • 正常神経発生
  • 脳腫瘍幹細胞
  • 膠芽腫
  • 髄芽腫

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  • 【本書名】イラストレイテッドシリーズ:がん生物学イラストレイテッド
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