基礎から学ぶ統計学

  • 中原 治/著
  • 2022年09月13日発行
  • B5判
  • 335ページ
  • 付録:web特典
  • ISBN 978-4-7581-2121-7
  • 定価:3,520円(本体3,200円+税)
  • 在庫:あり
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本章では、二項検定を学びます。二項検定は、本書で学ぶ統計手法の中では、最も使用頻度が低い手法です。しかし、統計学の入門に最適な学習項目です。理由が3つあります。第一に、高校1~2年で学んだ数学だけで、この手法の原理を完全に理解できます。統計手法はたくさんありますが、唯一この手法だけは、全て手作りの計算で実行できます。第二に、面倒な検定統計量の計算を必要としません。第三に、二項検定には、検定の論理の全てが詰まっています。こうした理由から、読者のお父さんやお母さん、もしくは、お爺ちゃんやお婆ちゃんの世代では、二項検定は、高校の数学の教科書で解説されていました。この「とても分かりやすい」という長所を、活用しない手はありません。本書では、統計学の学習を、二項検定から始めます。本章では、当時の大学入試の頻出問題をさらに簡単にした例題を使って、学びます。…

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理解に近道はない.だからこそ,初学者目線を忘れないペース配分と励ましで伴走する入門書.可能な限り図に語らせ,道具としての統計手法を,しっかり数学として(一部は割り切って)学ぶ.独習・学び直しに最適

目次

本書の使い方

統計学を学ぶ心がけ/予備知識/本書の学び方/のんびり取り組む/本書の難所/練習問題を解く/数学が得意なら/ご協力ください

序章 はじめに

1.統計学の必要性

2.散らばり(バラツキ)

3.基本的な用語と概念

①観測値と標本 ②母集団 ③統計学の目的 ④統計学の理論を支える土台 ⑤単純無作為標本

4.本書の2本柱

①平均の比較 ②2変数の関係

5.検定統計量

第Ⅰ部 統計的仮説検定の論理

1章 検定の論理(二項検定を教材として)

1.例題1:B薬はA薬より有効か?

①例題1.1:18人に効果がある場合 ②例題1.2:14人に効果がある場合 ③例題の解答

2.二項分布

①二項係数 nCx ②コブ斜面を降りる ③ゴール2へ降りる確率 ④二項分布 ⑤二項分布の応用

3.期待値 E[X]

4.練習問題 A

5.二項検定

①STEP1:帰無仮説H0と対立仮説HA ②STEP2:検定統計量 ③STEP3:帰無分布 ④二項分布の特徴 ⑤STEP4:棄却域と有意水準 ⑥STEP5:有意差の有無の判断

6.検定の論理(まとめ)

7.練習問題 B

2章 検定統計量(Wilcoxon-Mann-Whitney検定を教材として)

1.例題2:肥料Aと肥料Bの収量に差はあるか?

①栽培実験 ②基本的な用語と記号

2.WMW検定の目的

①2つの母集団 ②2つの標本 ③2つの可能性

3.検定統計量

4.WMW検定の手順

①帰無仮説H0と対立仮説HA ②ノンパラメトリック統計 ③WMW検定の手順 ④STEP1:検定統計量Uの計算 ⑤Uの定義 ⑥STEP 2:Uの臨界値U0.05 ⑦STEP3:有意差の有無の判断

5.練習問題 C

6.数学者たちに感謝

7.WMW検定の定性的理解

①可能な結果の全て ②検定統計量Uの性質 ③帰無分布 ④棄却域

8.WMW検定の実践的な技術

①標本サイズnが大きい場合のU1U2の計算 ②タイ(等しい値)がある場合のUの計算

9.WMW検定を発明した自然科学者たち

①Frank Wilcoxon ②Henry Berthold Mann と Donald Ransom Whitney

10.統計学を学ぶための心がけ

11.WMW検定の手順(まとめ)

12.練習問題 D

3章 第1種の過誤と第2種の過誤

1.検定の論理の復習

①二項検定の復習 ②説明のスタイル

2.4つの可能性

3.第1種の過誤

①帰無仮説H0が間違っているとき ②帰無仮説H0が正しいときの「有意差なし」 ③帰無仮説H0が正しいときの「有意差あり(P<0.05)」 ④「有意差あり(P<0.05)」の意味

4.第2種の過誤

①帰無仮説H0が正しいとき ②帰無仮説H0が間違っているときの「有意差あり(P<0.05)」  ③帰無仮説H0が間違っているときの「有意差なし」 ④第1種の過誤と第2種の過誤の性質の違い ⑤「有意差なし」は帰無仮説H0の証明ではない

5.データの解釈と言葉遣いに、気をつける

①「有意差あり(P<0.05)」のとき ②「有意差なし」のとき

第Ⅱ部 統計学の理論的基礎

4章 平均・分散・標準偏差・自由度

1.例題4:3つの観測値

2.母集団と標本

3.平均

①母平均μ(算術平均) ②母平均μ(期待値) ③標本平均x ④不偏推定量

4.分散と標準偏差の基礎

①μが既知だと仮定する ②偏差 ③平均偏差(偏差を絶対値で正にする) ④分散(偏差を2乗で正にする) ⑤標準偏差

5.母分散σ 2と母標準偏差σ

①偏差と偏差平方和SS ②母分散σ 2(算術平均) ③母分散σ 2(期待値) ④母標準偏差σ

6.標本分散s2と標本標準偏差s

①偏差の起点に代役を使う ②偏差平方和SSと自由度df

7.母数と統計量

①母数 ②統計量

8.自由度dfの概念を確立してきた自然科学者たち

①Friedrich Bessel ②Ronald Aylmer Fisher

9.自由度df

①制約条件と自由度 ②偏差に課された制約条件 ③統計学における自由度の意味

10.標本分散s2 の計算の手順(まとめ)

11.練習問題 E

5章 正規分布と統計理論の初歩

1.正規分布

①二項分布から正規分布へ ②確率密度 ③母数(パラメータ) ④±σ・± 2 σ・± 3 σの範囲

2.標準正規分布

①μ =0 でσ =1 の正規分布 ②標準正規分布表 ③臨界値 z0.05

3.練習問題 F

4.標準化

①標準化の簡単な例題 ②標準化の視覚的な理解 ③標準化して得たzが従う確率分布

5.練習問題 G

6.定理1:標本平均が従う確率分布

①標本平均は散らばりが小さい ②散らばりが小さくなる理由 ③標本平均xが従う確率分布 ④大数の法則 ⑤標本分布と標準誤差

7.練習問題 H

8.定理2:中心極限定理

9.定理3:正規分布の再生性

10.練習問題 I

11.定理4:2つの標本平均の差が従う確率分布

12.練習問題 J

13.定理(まとめ)

6章 t分布と母平均μの95% 信頼区間

1.例題6:7つの観測値の背後にいる母平均μは?

2.母標準偏差σが既知の場合の95% 信頼区間

①前提条件 ②標本平均の確率分布 ③標本平均の標準化 ④σが既知の95% 信頼区間 ⑤例題の解答(σが既知の場合)

3.練習問題 K

4.σをsで代用してみる

①σはsで代用するしかないが ②σをsで代用した標準化

5.Gosset が発明したt分布

①Karl Pearson ②William Sealy Gosset

6.標準化とStudent 化(まとめ)

7.t分布の定性的理解

t分布は背が低くて幅が広い ②t分布は標本サイズnによって形が少しずつ変化する ③母数(パラメータ)は自由度df ④臨界値 t0.05df

8.母標準偏差σが未知の場合の95% 信頼区間

①公式の導出 ②例題の解答(σが未知の場合)

9.95% 信頼区間の「95%」の意味

10.母平均μの95% 信頼区間の手順(まとめ)

11.練習問題 L

第Ⅲ部 母平均μに対する統計解析

7章 関連2群のt検定(対応のあるt検定)

1.関連2群(対応のあるデータ)の特徴

①例題7.1:サプリメントの効果 ②例題7.2:肥料の効果

2.対応する2つの観測値の差d

①観測値の差に注目 ②2つの可能性

3.帰無仮説H0と対立仮説HA

①前提条件 ②帰無仮説H0と対立仮説HA

4.σ dが既知の場合

①検定統計量と帰無分布 ②例題の解答(σ dが既知の場合)

5.練習問題 M

6.σ dが未知の場合

①検定統計量tと帰無分布 ②関連2群のt検定の手順(まとめ) ③例題の解答(σ dが未知の場合)

7.練習問題 N

8.検定統計量tの定性的理解(3つの判断基準)

①差dの標本平均の効果 ②差dの標本標準偏差の効果 ③標本サイズの効果

9.検定統計量tの性質(まとめ)

8章 独立2群のt検定(対応のないt検定)

1.独立2群(対応のないデータ)の特徴

①例題8.1:サプリメントの効果 ②例題8.2:精神障害

2.標本平均の差

①2つの可能性 ②独立2群のt検定の前提条件 ③標本平均の差の確率分布

3.帰無仮説H0と対立仮説HA

4.σが既知の場合

①検定統計量zと帰無分布 ②例題の解答(σが既知の場合)

5.練習問題 O

6.σが未知の場合

①σの推定(その1):2つの標本標準偏差 ②σの推定(その2):合算標準偏差sp ③検定統計量tと帰無分布 ④独立2群のt検定の手順(まとめ) ⑤例題の解答(σが未知の場合)

7.練習問題 P

8.検定統計量tは煩雑

9.練習問題 Q:Studentのtをシンプルにする

10.検定統計量tの定性的理解(3つの判断基準)

①標本平均の差 ②標本標準偏差 ③標本サイズ

11.検定統計量tの性質(まとめ)

9章 P

1.検定の枠組み

2.2 択だけの判断は不十分

①有意差がない場合 ②有意差がある場合

3.P

P値の定義 ②P値を得たら、まず0.05と比較する ③例題8.1の場合 ④「有意差あり」の表記法 ⑤「有意差なし」の表記法

10章 一元配置分散分析

1.一元配置分散分析のデータの特徴

①例題10.1:サプリメントの効果 ②例題10.2:ニジマスに与える餌

2.2つの可能性

3.一元配置分散分析の前提条件

4.帰無仮説H0と対立仮説HA

5.新しい記号:k, N, x

①標本の数(群)k ②観測値の総数Nと総平均x

6.一元配置分散分析の大まかな流れ

①誤差平均平方(群内分散)MSwithin ②処理平均平方(群間分散)MSbetween ③全平均平方MStotal ④分散分析表 ⑤検定統計量F

7.誤差平均平方(群内分散)MSwithin

①偏差平方和 SSwithin ②自由度 dfwithin ③誤差平均平方(群内分散)MSwithin

8.練習問題 R

9.処理平均平方(群間分散)MSbetween

①予備知識の復習 ②母分散σ 2の推定 ③処理平均平方(群間分散)MSbetween ④偏差平方和SSbetweenと自由度dfbetween

10.練習問題 S

11.全平均平方 MStotal

12.練習問題 T

13.分散分析表と検定統計量F

14.検定統計量Fの定性的理解

①分母のMSwithin の役割 ②分子のMSbetween の役割 ③例題10.1の場合 ④F分布と臨界値F0.05

15.一元配置分散分析の手順(まとめ)

16.練習問題 U

17.標本サイズが不揃いのときの計算

11章 多重比較(Bonferroni 補正とTukey-Kramer 法)

1.多重比較のデータの特徴

①例題11.1:サプリメントの効果 ②例題:11.2.ニジマスに与える餌

2.アルファベットを使った結果の表示

3.多重比較の出発点

4.多重性という課題

①帰無仮説H0が正しいとき ②第1種の過誤と有意水準α ③FWER(全体としての有意水準) ④ライフルで的を狙う ⑤多重性(まとめ)

5.Bonferroni 補正

①Bonferroni補正の方法 ②多重比較の欠点

6.Tukey-Kramer法

①Tukey-Kramer法の前提条件 ②帰無仮説H0と対立仮説HA ③検定統計量q

7.Tukey–Kramer法の計算

①対戦表 ②検定統計量qの分子 ③検定統計量qの分母 ④検定統計量q ⑤臨界値q0.05k,dfwithin

8.Tukey–Kramer法の手順(まとめ)

9.アルファベットの割り当て

①割り当ての方法 ②アルファベットの役割(まとめ)

10.練習問題 V

第Ⅳ部 2 つの変数xy の間の関係

12章 相関分析

1.例題12:2 つの変数の関係は?

①例題12.1:かき氷の売上と気温 ②例題12.2:ホタルと農薬

2.新しい記号:(xi, yi

3.正の相関と負の相関

4.強い相関と弱い相関

5.相関係数rの性質

6.標本共分散sxy

①偏差の積 ②偏差の積の和 ③自由度 ④共分散の性質(その1):無相関のとき ⑤共分散の性質(その2):正の相関があるとき ⑥共分散の性質(その3):負の相関があるとき

7.相関係数r

①共分散sxyは単位に依存する ②sxyを標準偏差sxsyで割る理由

8.相関係数rの計算

9.練習問題W

10.相関の検定

①相関分析の前提条件 ②母相関係数ρ ③帰無仮説H0と対立仮説HA ④検定統計量tと帰無分布 ⑤例題12.1 の解答

11.より簡便な検定方法

12.練習問題 X

13.線形 vs. 非線形(相関係数rの苦手な状況)

14.対数変換

①実例(その1):北海道の湖沼 ②実例(その2):ガラパゴス諸島

15.Spearman の順位相関係数

①順位で散布図を描く ②順位相関係数rsの計算

16.相関は因果関係の証明にはならない

13章 単回帰分析

1.例題13:他の変数から予測できるか?

①例題13.1:かき氷の売上と気温 ②例題13.2:定量実験における基本的な作業

2.単回帰分析の前提条件

3.最小2乗法

4.回帰直線の性質

①回帰直線が通る点 ②回帰直線の傾き

5.xyを逆にしない

6.y-切片aと傾きbの計算

7.内挿と外挿

8.決定係数 r2

①全平方和 SStotal ②残差平方和 SSresidual ③回帰平方和 SSregression ④回帰の恒等式 ⑤決定係数(その1):一般的な定義 ⑥決定係数(その2):もう1つの定義 ⑦決定係数(その3):実際の計算方法

9.練習問題 Y

10.単回帰分析における検定と推定

①計算に必要な2つの統計量SSxMSresidual ②傾きbの必要性を確認する検定 ③母回帰係数βの95% 信頼区間 ④条件付き期待値E[y|x] の95% 信頼区間(信頼帯) ⑤観測値y の95% 予測区間(予測帯)

付録 解答と付表

解答

付表

索引

Column

●片側検定は要注意!
●レポートや学術論文、研究につなぐ
●期待値を使った母平均μをもう少し詳しく
●「不偏分散」という隠語
●離散型と連続型の母平均μと母分数σ2の定義
●別々の偏差平方和を計算する理由
●合算標準偏差spのもう1つの定義式
SSwithinの実際の計算
SSbetweenの実際の計算
SStotalの実際の計算

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