複雑なシグナル伝達機構がおもしろいほど理解できる,まず最初に読むべきシグナル伝達の入門書! リン酸化のしくみは? チロシンキナーゼはなぜ重要? これらの最低限必要な基本知識から超厳選のトピックスまで,豊富なイラストで目で見て納得!
目次
はじめに〜シグナル伝達ワールドへようこそ
- シグナル伝達ってなんだろう
- シグナル伝達を流れとして捉える
- シグナル伝達研究の魅力
第1章 シグナル伝達の歴史と成り立ち
- 歴史をつくった人々
- がん遺伝子の発見とトリ肉腫ウイルス
- 肉腫をつくるSrcタンパク質はチロシンキナーゼだった
- 増殖因子受容体もチロシンキナーゼだった
- がん遺伝子は細胞の中にもある遺伝子だった
- ヒトからとられたがん遺伝子ras
- 三量体Gタンパク質とセカンドメッセンジャーの発見
- モデル生物を用いたシグナル伝達研究の発展
- Rasの活性化
第2章 シグナル伝達基本中の基本
- タンパク質モジュール構造〜相手探し〜
- 奇妙ながん遺伝子crk
- SH2はチロシンリン酸化
- タンパク質と結合する
- SH3はプロリンに富む領域に結合する
- まだまだあるぞモジュールたち
- ヒトはどのくらい複雑か?
- シグナルを伝えるための4つのHow to
- タンパク質のリン酸化
- GTP結合タンパク質によるヘンシン
- セカンドメッセンジャーによる活性化
- 切断による活性化
第3章 細胞膜上のできごと
- 受容体はどのようにしてシグナルを細胞内に伝えるか
- チロシンキナーゼ受容体はどのようにシグナルを伝えるか
- 受容体を起点としたシグナル複合体
- 7回膜貫通型受容体はどんなシグナルをどのように伝えるのか
- GTP結合タンパク質のプロフィール
第4章 細胞膜から核へ
- MAPキナーゼカスケード
- MAPキナーゼの仲間たち〜ERK JNK p38
- 横道にそれないための工夫〜足場タンパク質
- ERKの核内移行
- TGF-βスーパーファミリーとSmadによるシグナル伝達系
- JAK-Stat系のシグナル伝達系
- Notchシグナル伝達系〜分化演出の舞台裏
第5章 核〜細胞質間の物質コミュニケーション
- 核膜孔複合体NPC:核の出入国管制官
- 核移行シグナルと輸送のしくみ
- Ran・GTP濃度差がベクトル性を発揮させる
- NLSとimportinのさまざまな組み合わせ
- 核外移行にもRanが関与する
- どんな因子が制御されているのだろう
- M期の進行を制御するMPFと核移行
- ERKの核移行の鍵はMEKが握っている
- 細胞周期M期の微小管再構築と輸送タンパク質
- 微小管の形成にもRanが活躍していた
- importinも輸送以外の大事な機能があるらしい
第6章 アポトーシスとシグナル伝達
- アポトーシス〜積極的な細胞死
- 線虫:アポトーシス研究の聖地
- ろ胞性白血病とbcl-2遺伝子
- Fasの発見/カスパーゼファミリーと機能からみたグループ分け
- カスパーゼの基質たち
- CADとICADとの至高の関係
- Fasが死の引き金を引く
- ミトコンドリア:もう1つのアポトーシス経路
- Bcl-2ファミリータンパク質
- 細胞の最後の抵抗
第7章 がんとシグナル伝達
- どのような遺伝子の変異ががんを引き起こしているのか
- チロシンキナーゼ受容体の変異ががんを発症する
- オートクリン型の増殖異常にはどんなものがあるのか
- リガンド非依存性の受容体活性化とがん
- 染色体転座が導くがん:Bcr-Abl
- TELとTPR:オリゴマー化の元凶
- GTP結合タンパク質の変異とがん
- Rb:はじめにとられたがん抑制遺伝子
- p53:1993年度Molecule of the Year
- 大腸がんとAPC遺伝子とWntシグナル
- Rasの負の制御因子NF1
第8章 これからのシグナル伝達研究
- プロテオミクス
- シグナル伝達の可視化
- 機能ドメインのカタログ化
- シグナルネットワークのコンピュータ解析
- シグナル伝達因子をターゲットとした創薬の展開
- 再生医学とシグナル伝達研究のゆくえ
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