Gノート 2014年6月号 Vol.1 No.2

総合診療の現場で 認知症をどう診る?

もしかして認知症?本人・家族への説明はどうする?薬の処方は?患者に寄り添う診療のためにできること

  • 前野哲博/編
  • 2014年05月30日発行
  • B5判
  • 150ページ
  • ISBN 978-4-7581-2301-3
  • 2,750(本体2,500円+税)
  • 在庫:なし
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特集にあたって(一部抜粋)

1 認知症診療の難しさ〜総合診療医の立場から〜

「先生がずっと外来で診ていたKさん,明らかな認知症で,HDS-R 14点でしたよ.とてもこのまま帰せないので,ケアマネさんにお願いしてサービスを入れてもらうことにしました」


「えっ! Kさんが認知症??」思いがけない事実に,私は言葉を失いました.

Kさんは一人暮らしの70歳代後半の女性.高血圧,糖尿病,痛風などがあり,私が以前よく利用していたレストランで働いていた縁で,10年以上私の外来に通院されている方です.東北地方のご出身で,…(中略)

今回はふらふらして動けなくなっていたところを近所の人に発見されて救急車で近くの病院に運ばれて,そのまま入院になったのですが,冒頭のやりとりは,入院後,病棟の主治医からの電話です.

これまでのKさんとの会話では,買い物,調理などの普段の生活の話も話題になることもありました.本人の話では特に支障はないということでしたし,独居でそれを裏づける情報をもたらしてくれる人もおらず,買い物も含めて自分でできるというので特に介護サービスも入れていませんでした.ちなみに,認知症だとわかってから,もう一度普段の生活について尋ねてみましたが,「特に問題ない」という同じ答えが返ってきました.認知症の診断の難しさをつくづく実感した一例でした.

2 本特集のねらい

高齢者人口の伸びに伴って認知症は増加の一途をたどっており,厚生労働省の研究班の発表によると,その患者数は2012年時点で462万人と推計されています.認知症は,その経過も長く,また家族をはじめ周囲への影響も大きい疾患であり,包括的・継続的に,家族も含めたケアが必要という点において,総合診療医に期待される役割はきわめて大きいものがあります.

その一方で,認知症は初期に礼節が保たれていることが多く,また患者自身が症状を訴える例は少ないので,冒頭のケースのように発見が遅れることもあります.治療についても個別性が高くて教科書通りに行かないことも多く,また疾患の性格上本人の意思が確認できないケースも多いことから,現場では難しい決断が迫られることもしばしばです.そこで今回の特集では,認知症ケアで実際に遭遇することの多い課題に焦点を当て,高齢者診療の第一線で活躍されている先生方に現場で役に立つアドバイスをいただくことにしました.

(後略)

総合診療の現場で遭遇することの多い悩み事・困り事に焦点をあて,「いつ認知症を疑うか?」「本人・家族への説明は?」「BPSDへの対応は?」など実例を交えて解説.明日から役立つアドバイスが満載です!

目次

特集

総合診療の現場で 認知症をどう診る?
編集/前野哲博
特集にあたって【前野哲博】
いつ認知症を疑うか?【廣瀬由美】
認知症を疑ったら?【山口 潔】
本人・家族への説明のコツ【大蔵 暢】
抗認知症薬による薬物療法の基本的な考え方【水上勝義】
BPSD への対応(1) -患者・家族への接し方【佐藤典子】
BPSD への対応(2) -薬物療法【金井貴夫】
軽度認知障害(MCI)への対応【櫻井博文/羽生春夫】
治療や生活に関する方針決定プロセスへの総合診療医のかかわり【木村琢磨】

interview

《新連載》総合診療 十人十色
患者さんをまるごと診たい,だからここに行き着いた【藤田浩二 先生(亀田総合病院 感染症科)】

連載

どうなる日本!? こうなる医療!!
地域包括ケアとそのシステム構築のためには【飯島勝矢】
研修では教えてくれない! ノンテクニカルスキル
第2回 「人」と「人」がつながる 総合診療医が知っておきたい チームビルディングのツボ【守屋文貴】
医師として知っておくべき 介護・福祉のイロハ
第2回 訪問看護ってどんなことをしているの?
~介護保険の訪問看護? 医療保険の訪問看護? 病院とは違う看護師さんのお仕事~【喜瀬守人】
聞きたい! 知りたい! 薬の使い分け
第2回 総合診療医がパーキンソン病診療に介入する. 抗パーキンソン病薬を使用するときの覚悟,その使い方のコツは?【加茂 力】
《新連載》誌上EBM 抄読会 診療に活かせる論文の読み方が身につきます!
第1回 便潜血反応による大腸がんスクリーニング検査の意義は?【佐々木純久/南郷栄秀】
Common disease診療のための ガイドライン早わかり
第2回 骨粗鬆症【池尻好聰】
知って得する! 日常診療の小ワザ・裏ワザ劇場
No.2 知って得する! 指輪のはずし方【林 寛之】
思い出のポートフォリオを紹介します
第2回 「bio-psycho-social」のポートフォリオ【若山 隆/葛西龍樹】
書評・感想
  • 認知症と一言でくくるにしても症状の推移が多彩で一概に単純ではないのでこの分野での特集は大変参考になった。(勤務医・消化器科)
  • 認知症専門外来に携わっているため読んでみたかった。(勤務医・精神神経科)
  • 知識の整理と合わせて新しいことをたくさん学べた。(勤務医・総合診療科)

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  • 【本書名】Gノート:総合診療の現場で 認知症をどう診る?〜もしかして認知症?本人・家族への説明はどうする?薬の処方は?患者に寄り添う診療のためにできること
  • 【出版社名】羊土社

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第2地帯(ヨーロッパ) +780円
第3地帯(アフリカ、南米) +1010円
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第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +2000円
第2地帯(ヨーロッパ) +2200円
第3地帯(アフリカ、南米) +2400円

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interview

内容見本

総合診療 十人十色

患者さんをまるごと診たい,だからここに行き着いた

【藤田浩二 先生(亀田総合病院 感染症科)】

連載

内容見本

どうなる日本!? こうなる医療!!

地域包括ケアとそのシステム構築のためには

【飯島勝矢】

内容見本

研修では教えてくれない! ノンテクニカルスキル

第2回 「人」と「人」がつながる 総合診療医が知っておきたい チームビルディングのツボ

【守屋文貴】

内容見本

医師として知っておくべき 介護・福祉のイロハ

第2回 訪問看護ってどんなことをしているの?~介護保険の訪問看護? 医療保険の訪問看護? 病院とは違う看護師さんのお仕事~

【喜瀬守人】

内容見本

聞きたい! 知りたい! 薬の使い分け

第2回 総合診療医がパーキンソン病診療に介入する 抗パーキンソン病薬を使用するときの覚悟,その使い方のコツは?

【加茂 力】

内容見本

《新連載》誌上EBM 抄読会 診療に活かせる論文の読み方が身につきます!

第1回 便潜血反応による大腸がんスクリーニング検査の意義は?

【佐々木純久/南郷栄秀】

内容見本

Common disease診療のための ガイドライン早わかり

第2回 骨粗鬆症

【池尻好聰】

内容見本

知って得する! 日常診療の小ワザ・裏ワザ劇場

No.2 知って得する! 指輪のはずし方

【林 寛之】

内容見本

思い出のポートフォリオを紹介します

第2回 「bio-psycho-social」のポートフォリオ

【若山 隆/葛西龍樹】

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