Gノート:誰でもできる!高齢者の身体診察〜ポイントを福知山でギュッと絞りました
Gノート 2020年2月号 Vol.7 No.1

誰でもできる!高齢者の身体診察

ポイントを福知山でギュッと絞りました

  • 川島篤志/編
  • 2020年02月03日発行
  • B5判
  • 164ページ
  • ISBN 978-4-7581-2343-3
  • 定価:2,800円+税
  • 在庫:予約受付中
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特集にあたって

特集にあたって

川島篤志
(市立福知山市民病院 総合内科 医長/研究研修センター長)

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医療における身体診察・病歴聴取の有用性は誰もが認識しているところです.超高齢社会において,日常から高齢者に接する機会の多い医療従事者間で,これだけは知っておきたい身体診察が共通認識のもとで行われれば,「えっ!」という機会(見逃し)は減るかもしれません…というのは言い過ぎでしょうか?



以前(15年以上くらい前)より,「どんなときにどんな身体所見をとることによって,診断や重症度判定の検査前確率を上げられるのか」を意識した「身体所見の小テスト」という医師向けのワークショップ(WS)を開催してきました.本格的に行うと3~4時間かかるもので,少しマニアックな項目も入っていました.今でも当院の初期研修医・専攻医・新規採用の内科系医師に年1~2回行っているのですが,どこまで理解できているか,実践できているか,確認が難しいですね.さらに最近は高齢者診療に絞って,多職種の方にもわかってもらえる=医療従事者は当然のように理解している・できるはずの所見をコンパクトにしたWSもやるようになりました.読者のなかに,どちらかの受講経験のある方もおられるかもしれませんね.



過去に身体所見に関してのアンケート(図12)をとったこともあります.身体診察を「重要視している」と答えられた方が9割を超えたなかで,「自信をもってできる」と答えられたのはわずかに3割でした.「教えてくれる人がいない」「身体所見を議論する場がない」という環境・文化の問題や,「身体診察で臨床判断が変わらない」という回答もありました.とても残念なことです.当院総合内科では,ベッドサイド回診が日常的に行われていて,そこでいろいろと見つかることがあります.「診ないとわからない」ので診に行くだけのことではありますが,「何を診るのか」が理解できていないと,指導医に指摘されることが増えてしまいます(指導医としては,「エッヘン」という感じですが).今年度,当院のチーフレジデントの安原大生 先生がおもしろい取り組みをしてくれました.一緒に診療に携わる初期研修医に,「高齢者を診るときに,後述のことをチェックしておくように!」とフォーマットをつくってくれたのです.「ベッドサイド回診のときに,これは必ずチェックされるから…」とのことです.当科では以前にも,整形外科に入院する高齢者に総合内科がかかわるシステムを採用していたとき(当時は総合内科医が相当数いたので,整形外科の内科番というローテーションをつくっていました)に,チェックリストで類似のフォーマットをつくっていましたが,こちらの方がシンプルでいいと思います().回診のときも,適切に評価されている確率が格段に上がってきていると体感しています(今の研修医が優秀? 指導医が優秀?)ぜひ,このテキストをコピペして,皆さんの施設で高齢者診療の身体診察を当たり前にしていただけるようになると幸いです.

さて,本特集ではこのような身体所見について,複数疾患に罹患している高齢者を診るにあたって,「これだけは診られるように!」とポイントを絞ったネタを,編者の意図を十分理解している(と思われる?)市立福知山市民病院の現役生・OB/OGに記載していただきました.編者として,自分が話していたことをどう理解されてアウトプットされるのかが見られて嬉しいのと,読者の皆さんにとって実践的な内容に仕上がっていると自負しています.高齢者診療に限らないけれど病歴聴取・身体診察の重要性が高い「かぜ」「虫垂炎」,そして「珍しい身体所見」に関係する話題もあげさせてもらいました.身体所見は決して名人芸ではありません.知識をもっていればあとは実践するかどうか,実践する仲間がいるかどうかによります.本特集に記載されている所見をすべて理解されている方も少なくはないかもしれませんね.そういった方はぜひ,ご自身だけではなく,その実践者をドンドンと増やして,高齢者にかかわる身体診察の文化を醸成していってください.医師だけでなく,看護師さんにも教育していくともっと効果的かもしれません.簡単で現場に直結する所見をみんなで楽しく理解してもらい,日常臨床のなかで,身体所見を議論することが当たり前になることを願っています.

最後に無理な注文を頑張って執筆してくれた現役生,OB/OGに感謝します!

著者プロフィール

川島篤志 Atsushi Kawashima
市立福知山市民病院 総合内科 医長/研究研修センター長
病歴聴取・身体所見から鑑別診断を想起する臨床推論や感染症診療・高齢者診療などを中心に,「病院内での家庭医療の実践 + 病院からの地域医療の実践」をこの病院・地域でやり遂げます!(現在11年勤続:定年までなら残りあと20年!)一緒に頑張ってくれる仲間を募集中!
当院のBlogもご笑覧くださいね!:http://fukugim.blogspot.com/

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