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(2004年12月20日発行)
2005年1-2月号(Vol.5 No.1)
定価 2,625円(税込)
バイテクノロジージャーナル最新号詳細
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目次
特集
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特集
バイオ研究者のための“使える”システムバイオロジー
企画/北野 宏明(ソニーコンピュータサイエンス研究所)

・<序文>システムバイオロジーにおける基本概念としてのロバストネス
 北野宏明
大規模ゲノム解析やプロテオミクス研究などに象徴される分子生物学の進展によって,遺伝子やタンパク質など生命を構成するコンポーネントに関する理解は劇的に進んだ.また,多くの生物種のゲノム配列が解析されたことにより,生物がどのように進化してきたかに関しても多くの知見が得られている.システムバイオロジーは,これらのゲノム科学,分子生物学の成果を基盤に,コンピュータサイエンス,制御理論などの道具立てを利用・開発し,システムレベルでの生命の原理を研究すると共に,創薬などに応用しようという分野である.
・システムバイオロジー研究のためのソフトウェア標準化
 舟橋 啓
システムレベルでのモデル化や解析のためには,データを格納,操作,可視化するようなツールや,シミュレータなどのさまざまなソフトウェアパッケージが用いられる.近年,このようなソフトウェアが数多く開発されており,システムバイオロジーの研究に身を置くものとして非常に望ましい状況となってきている.われわれは,これらのソフトウェアでモデルの共有化,およびソフトウェアの協調動作が行えることを目標としてソフトウェア標準化の作業を行っている.モデルの共有化,ソフトウェアの協調動作が行えることにより以下のような問題点が解決されると予想される.
・システムバイオロジーのモデル系としての概日時計研究
 上田泰己
2003年のヒトゲノムプロジェクトの完全解読に象徴されるように,大腸菌からヒトまで数多くのモデル生物のゲノム配列が次々と決定され,生命科学分野全般で分子からシステムへとパラダイムシフトが起きている.このような動きを背景にして分子生物学・ゲノミクス・情報科学・非線形物理学などを融合したシステム生物学という新分野が起こりつつある.本稿では,哺乳類の概日時計研究を例にとりながら,システム生物学の基本的な4つの研究分野(システム同定,システム解析,システム制御,システム設計)を概説し,そのなかでも特にシステム生物学研究の律速段階になっているシステム同定についてわれわれの研究シナリオを紹介する.
・システムバイオロジーの応用〜数理時空間に心筋細胞活動を実現する
 野間昭典 松岡 達 皿井伸明
従来,生理学や生化学研究では,個々の分子あるいは分子の集合など,いわば機能単位(例えば,筋収縮タンパク複合体やミトコンドリア電子伝達系)について,それらの反応速度,用量依存性などを解析し,それぞれの動的特性を決定し,モデルを作成することによってメカニズムが説明されてきた.近年,ゲノム解析によってこれらの機能単位についての分子実体が明らかにされつつあり,分子実体に基づく機能単位のダイナミックモデル構築は,研究の1つの集大成として認識されている.われわれは,さらにそれぞれの機能単位モデルを統合して,細胞の機能を再構築する努力を行っている.
・システムバイオロジー産業の動向 〜シミュレーションを用いたバイオビジネス
 諸橋峰雄 北野宏明
近年,ポストゲノムにおける生命科学分野のなかで,システムバイオロジーの概念が大きく注目されてきている.1つの理由として,バイオテクノロジー技術の発展に伴い,大規模かつ多様なデータの計測が可能になったことが挙げられる.システムバイオロジーの潮流は2つに大別できる.・・・(中略)・・・本稿では,このうち後者のアプローチに焦点を絞り,シミュレーション*を利用して産業的応用を積極的に試みている米国の企業の動向を解説する.
シミュレーションを利用している企業URL一覧
・ロバストシステムとしての癌とシステム生物学
 白石哲也
癌は多種類の癌遺伝子および癌抑制遺伝子の異常が経時的に蓄積され,種々の段階を経て発生すると一般的に考えられている.それら遺伝子異常のパターンが癌の細胞生物学的特性を規定し,放射線および化学療法の感受性やひいては患者の予後に深く関与している. ・・・(中略)・・・
本稿では,癌を遺伝子に生じた異常が細胞内にシステム異常を引き起こしさらにそれが最終的に個体のシステムを壊す疾患であると捉え,システム異常としての癌の理解と治療戦略の開発におけるシステム生物学の関与について概要を示す.また現在開発されているシステム生物学の解析ツールやデータベースを論に沿って適宜紹介したい.
癌のシステム生物学に有用なデータベースとソフト URL一覧

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