スマホで読める実験医学
550円

老化細胞に共通した代謝特性:がんなどの加齢性疾患に対する老化細胞除去療法

Senolysis targeting senescence metabolism
城村由和,中西 真
Yoshikazu Johmura/Makoto Nakanishi:Division of Cancer Cell Biology, Institute of Medical Science, University of Tokyo(東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野)
10.18958/6845-00001-0000760-00

細胞老化は恒久的な増殖停止や炎症性物質の分泌を特徴とする細胞形質で,加齢や生活習慣に伴うさまざまな臓器・組織機能の低下や,がんなどの病態に大きくかかわっている.最近になり,老化細胞を加齢個体から除去することで,これら機能低下や疾患発症が予防・改善されることが提唱されている.われわれは,老化細胞を選択的に除去する薬剤の開発をめざして老化細胞の生存に特異的かつ必須な遺伝子を探索したところ,グルタミン代謝にかかわるGLS1(Glutaminase 1)を同定した.GLS1阻害剤は老化細胞特異的に致死を誘導し,加齢個体のさまざまな臓器機能の低下を改善した.

老化細胞,グルタミノリシス,リソソーム,アンモニア,抗加齢,GLS1,老化細胞除去療法

この記事は有料記事です

(残り約7,100文字)

  • 【スマホで読める実験医学】老化細胞に共通した代謝特性:がんなどの加齢性疾患に対する老化細胞除去療法
    550円

関連書籍

実験医学2021年7月号 Vol.39 No.11

新オミクス技術で見えたがん代謝の新経路

第二のワールブルグ効果、腸内細菌・細胞老化とのかかわり

  • 中山敬一/企画
  • 定価:2,200円(本体2,000円+税)