本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.パズルの回答は,下記フォームからご応募ください! 前問の答え合わせも本ページでご紹介してゆきます.
正解者にはプレゼントがありますので, たくさんのご応募をお待ちしております.
正解された方の中から抽選で「『人類は感染症とともに生きていく』+ひつじ社員+小社メモ帳」をセットで1名様にプレゼント
※ ご解答期限は2024年10月号の発行までとなります
※ プレゼント当選者の発表はプレゼントの発送をもって代えさせていただきます
第86問 誰が座っている?
1人の教授と7人の学生が,研究内容について議論中.こんな研究室での一場面から問題をつくってみました.まずは,誰か1人の場所を固定.そのうえで,条件を一つひとつ確認して場合分けすると,全員の座り順が明らかになってきます.最後に,教授の正面に座っているのはどの学生か答えてください.
前回のこたえ
先月の『2つに分かれて』は楽しんでいただけましたか? すべてのピースを入れ終わっても空きマスができるところ,枠が2つに分かれているところが今までにはない問題になっていたと思いますが,パズルの中身としては,これまでさまざまなコンセプトを与えて出題してきた箱詰めパズルの一種になります.つまり,ピースを当てはめていって試行錯誤する,という当たり前の基本的な作業が,王道であり唯一の解き方ではあります.小さい方の赤い液滴と,大きい方の青い液滴を考えると,赤い液滴から入るピースを考えた方がよさそうに見えますが,実はDを青い液滴に入れると他のピースが入れられないことに気づくと,赤い液滴にDが入ることが決まり,そこからはスムーズに解けていくかと思います.最終的にすべてのピースを入れると解答図のようになり,青い液滴に入る『A・C・E』が答えとなります.
先月号の特集は,ストレス応答と液-液相分離(LLPS)がテーマでした.先月号のパズルはLLPSをコンセプトにパズルをつくりましたが,このLLPSは,僕の研究者時代には生物系の分野では聞くことがなかったように思えます.調べてみると,物理化学の分野では古くから知られていた現象ではありましたが,細胞内でのLLPSが注目されはじめたのは2010年前後ということで,分子生物学や細胞生物学にとっては非常に新しい視点でした.考えてみると,タンパク質が集まって機能するためには何らかの場が必要で,さらにドメインごとに多様な物性をもつのがタンパク質であり,そのなかに凝集を促進するような物性をもつドメインが含まれることを考えると,タンパク質が集まる場の本質はLLPSにあるという話も納得ではあります.古典的な生物学の教科書にも膜で覆われていない構造体としてさらっと紹介されている核小体も,LLPSによって形成されることがわかってきたとのことで,目から鱗の思いでした.まだまだこれから,大きな注目を浴びていく現象だと感じました.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!