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血液脳関門MPS真の生理学性に挑むorgan-on-a-chip

松崎典弥,佐藤 薫
Michiya Matsusaki1)/Kaoru Sato2):Graduate School of Engineering, Osaka Univeristy1)/Division of Pharmacology, National Institute of Healthcare Sciences2)(大阪大学大学院工学研究科1)/国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター2)
10.18958/6885-00002-0000818-00

organ-on-a-chipは,現在の標準的な細胞培養器であるディッシュやプレートとは大きく異なり,生体内と同じく流れや機械的刺激の存在下で細胞を培養することが可能である.この技術を発展させることで,細胞を生体内とほぼ完全に同じ生理学的な環境にて培養することも夢ではないように見える.しかし,細胞が生体内で本来保持している高い機能や多様な応答を培養条件下にて再現することに,われわれは現時点で成功していない.本特集では,わが国で開発されている新たなorgan-on-a-chipを紹介するとともに,それ基盤としつつ,細胞培養系の科学的かつ系統的な改善を通じた“真の生理学性”の達成への道筋を展望してみたい.(企画/酒井康行)

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