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ヒトがん免疫療法の発展と課題CD8T細胞からの視点

Developments and challenges in human cancer immunotherapy : perspective from CD8+ T cells
種子島時祥,小山正平,西川博嘉
Tokiyoshi Tanegashima1)2)/Shohei Koyama1)/Hiroyoshi Nishikawa1)3):National Cancer Center Japan1)/Kyushu University Graduate School of Medical Science2)/Nagoya University Graduate School of Medicine3)(国立がん研究センター1)/九州大学大学院医学研究院2)/名古屋大学大学院医学研究科3)
10.18958/6941-00001-0000003-00

細胞表面にCD8を発現する細胞傷害性CD8T細胞は,抗腫瘍免疫応答において最も強力に腫瘍を攻撃する.現在効果をあげている多くのがん免疫療法は,CD8T細胞の細胞傷害機能を増強させるものである.免疫チェックポイント阻害薬は主に,免疫応答を制御する免疫抑制性の受容体を標的としており,キメラ抗原受容体T細胞療法は,細胞傷害機能を高める目的で,がん表面に発現する抗原分子に対する抗体の認識部位とT細胞受容体を遺伝子改変により融合してがん抗原を特異的に認識するCD8T細胞を使用している.本稿では,がんおよびがん免疫療法において重要なプレーヤーである細胞傷害性CD8T細胞にスポットをあて,これまでの研究のあゆみとこれから解決するべき課題について述べる.

細胞傷害性CD8T細胞,抗PD-1抗体,抗CTLA-4抗体,CAR(chimeric antigen receptor,キメラ抗原受容体)-T細胞療法

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