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研究は1人ですべてできることが理想的だが,現在ではそれはほとんど不可能で,共同研究者が不可欠である.他の研究者をメンバーに加えるには,きちんとした理由が必要だ.それは研究計画の一部において,その研究者がもっているテクニックやメソッドが不可欠な場合だ.ただし,あくまでも申請者の研究計画をサポートするためのもので,メンバーに加える研究者の研究が主になっては困る.

もっとも科研費の申請においては必ずしも共同研究者を加える必要はなく,基盤研究(C)や若手研究においては基本的には申請者1人で行う研究で申請できる.

研究分担者,連携研究者,研究協力者

研究組織を構成するにあたって,研究分担者,連携研究者,研究協力者の三者があるが,その区別はわかりにくい.

申請書に記載する研究者のうち,研究分担者は分担金あり,連携研究者は分担金なし,である().研究協力者は科研費の応募資格をもたない者がなる.

研究者の区別 科研費の応募資格 分担金 研究代表者との交替
研究代表者 必要
研究分担者 必要 あり できない
連携研究者 必要 なし できない
研究協力者 いらない なし できない
表 研究組織のまとめ
研究分担者と連携研究者の違いは,研究分担者は分担金が必ずあることで,連携研究者は分担金はなしである.研究協力者は海外や企業の研究者などである.注意すべきは,日本学術振興会の特別研究員である.平成26年度の公募から特別研究員で SPD・PD・RPD の者は,研究協力者だけでなく,研究分担者,連携研究者のどれでもなれるようになった.参画する研究種目には制限はない.ただしSPD・PD・RPDの者が,受入研究機関から科研費の応募資格を与えられた場合に限られる.また,博士課程在学中の特別研究員(DC)は従来どおり,研究協力者としてのみ参画できる.

同じラボのメンバーを研究チームに入れるときには,連携研究者でよい.従来のように研究分担者にすると,少額でも必ず研究費を配分しなければならず,事務手続きが煩雑になる.日本学術振興会の特別研究員は研究協力者になる(受入研究機関から科研費の応募資格を与えられている.一部のSPD,PD,RPDは除く).

また研究代表者が研究計画を遂行できなくなった場合,研究分担者や連携研究者が交替して研究代表者にはなれなくなった.

共同研究者の人選の採択への影響

さて,研究分担者や連携研究者の人選によって,どの程度採択に影響があるだろうか? 基盤研究(S)や基盤研究(A)などの大型のものでは,メンバー構成が研究計画に沿ったものであることが必要になるだろうが,基盤研究(C)や若手研究では単独で応募してもまったく問題はない.かえって自分より有名な研究者をメンバーに入れると,「これは誰の研究なのか?」と逆効果になることがある.特に申請者の業績(この場合,もちろん発表論文)が少ないので,研究分担者や連携研究者の業績で業績欄を埋めようとしても,審査委員は案外この部分を見ているものだ.

そのため,研究分担者や連携研究者を入れるときには,無理せず自分に合ったレベルの研究者にお願いしよう.また研究分担者や連携研究者の発表論文を記入するときにも,せめて『申請者:研究分担者や連携研究者=2:1』の割合にするのが妥当だと思う.

また,研究分担者を加えるときには,本人の承諾書が必要なので忘れないように.承諾書は日本学術振興会科学研究費助成事業のページの左側のメニュー「公募情報」から「公募要領・計画書等」の各種目の「公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ」の「3.研究分担者承諾書」のところにあり,研究分担者が研究代表者と同じ研究機関か異なる研究機関かによって様式は異なるので注意すること.

共同研究者の選び方のポイント

  • 研究遂行に必要なテクニックやメソッドをもった研究者をメンバーに加えよう.
  • 自分のレベルに釣り合った研究者を選ぼう.

※本コーナーは『科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版』(2017年8月発行)から抜粋したものです.記載内容は発行時点における最新の情報に基づき,正確を期するよう,最善の努力を払っております.しかし,本記事をご覧になる時点において記載内容が予告なく変更されている場合もございますのでご了承ください.