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(4月20日発行)
2005年5-6月号
(Vol.5 No.3)
定価 2,625円(税込)
バイテクノロジージャーナル最新号詳細

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目次
特集
■ プロトコール
■ テクノロジー・ニュース
■ ビジネス&パーソン
■ コラム
■ 製品・サービス情報

第1特集
in vivoで見る イメージング
分子局在を見る/高分解能で観察する/生物ルミネッセンスで簡便に測定する/共焦点顕微鏡を応用してin vivoで/形態情報と組合わせる
企画/白川昌宏(京都大学大学院工学研究科分子工学専攻)

<概論>生命機能を理解するための必須テクノロジー
in vivoイメージング【巻頭特別インタビュー】

 白川昌宏
生きたまま,細胞あるいは個体内のリアルタイムな観察を可能にしたin vivoイメージング.生命機能を理解するうえで,試験管内での情報だけでなく,実際に生体内のどこで・どのように働いているかといった疑問を解決するために,いまや必要不可欠な技術であると言える.今回,本特集を企画いただいた白川昌宏教授に,in vivoイメージングの登場から現在までの流れ,また基礎研究者がこの技術をどのように研究に取り入れかかわっていくべきか,ご自身の見解を語っていただいた.
in vivo発光イメージング
 寺川 進 櫻井孝司
in vivoイメージングとして最近広がっている手法は,ラットのような動物の個体から得られる発光を捉えるものである.この目的のために,高感度カメラを暗箱にセットした装置(IVIS Imaging System,Xenogen社)がよく使用されている.この装置は,上記のような原則に沿って作られており,量子収率85%の背面照射型CCDカメラを備えている.CCDセンサーは−105℃に冷やされている.さらに,動物を載せて上下する棚(視野調節),動物用ヒーター,麻酔器なども付けられるようになっている.本装置は住商バイオサイエンス(株)を通じて販売されている.
・PET,SPECTによるin vivoイメージング
 藤林靖久
人体に投与された薬剤が体内でどのような動きをしているかは,実のところよくわかっていない.経口投与製剤の消化管内滞留時間が個体によって極端に異なることは,お通じの回数(食物の消化管内滞留時間に反比例)の相違からも明らかである.静脈投与薬物の作用部位・副作用部位における濃度は血中濃度から推定されているにすぎない.PET,SPECTは,これらを直接測定することを可能にする.
・MRIによる生体イメージング 〜生理機能の画像化と定量
 瀬尾芳輝
1H-MRIは生体の約70%を占める水分子の水素原子(1H)の核磁化を捉え画像化するものである.画像化の技術的詳細については成書を参考にされたい.他の画像法に比べて最大の利点は,あるがままの状態で光学的に不透明な対象の三次元データが採取でき任意のスライス面で切り出せることにある.三次元空間分解能は50 μm3程度,二次元面内分解能は5〜10μm程度と,空間分解能はさして高いとはいえないが,測定対象を選ばないことと全くの非侵襲計測であることが一番の特徴といえる.
・二光子励起顕微鏡を用いた脳スライス標本における蛍光イメージング
 大久保洋平 飯野正光
in vivoでの蛍光イメージングの必要条件としてまず挙げられるのは,厚みのある標本で鮮明な像を取得することができるということである.通常の励起方法では,焦点面の上下の広い範囲で蛍光分子を励起してしまう.ゆえにある程度厚みのある標本では,焦点面以外で発生した蛍光により像がボケてしまう.この問題を解決したのが共焦点顕微鏡である.

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