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2006年3-4月号
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最新号
(2月20日発行)
2006年3-4月号
(Vol.6 No.2)
定価 2,625円(税込)
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テクノ・トレンド
・モチーフ・プログラミング
齊藤博英
蓄積するプロテオーム情報を活用した,次世代型人工タンパク質創製技術が期待を集めている.われわれは,タンパク質に内在する「ペプチドモチーフ」を基盤材料として人工タンパク質ライブラリーを作製し,機能性人工タンパク質を効率良く選択できる「モチーフ・プログラミング」技術を開発した.本技術の具体的方法を述べるとともに,天然型タンパク質から抽出した細胞死制御モチーフを利用して,癌細胞死ネットワークを正負に方向変換できる2つの人工タンパク質を創製したモチーフ・プログラミング研究例を紹介する.
・1型糖尿病を制御する移植療法用の可逆性不死化ヒトβ細胞株の樹立
小林直哉,田中紀章
健常β細胞と機能的に同等なヒトの膵β細胞株には利用可能なものはこれまで存在していない.レトロウイルスベクターを用いた初代ヒトβ細胞のトランスフェクションにより可逆性不死化ヒトβ細胞クローン(NAKT-15細胞)を確立した.このベクターに含まれるサルシミアンウイルス40ラージT抗原(SV40T)およびヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)のcDNAは対になったloxP組換え標的で挟まれおり,Cre組換え酵素でSV40TおよびhTERTを削除できる.復帰NAKT-15細胞はβ細胞転写因子(Isl-1,Pax 6,Nkx 6.1,Pdx-1),プロホルモン転換酵素1/3および2,分泌顆粒タンパク質を発現しており,グルコースに反応してインスリンを分泌した.ストレプトゾトシンで糖尿病を誘発した重症複合免疫不全マウスにNAKT-15細胞を移植したところ2週間で血糖値を完全に制御できるようになり,マウスの血糖値は30週間以上にわたり正常値を持続した.NAKT-15細胞は,糖尿病を標的とした細胞療法の発展に貢献できるツールとなりうる可能性が高い.
・オンチップ細胞分離(セルソーター)システム
安田賢二
細胞レベルでの解析や再生医療での応用への基盤技術として,セルソーター技術の重要性が日増しに高まりつつある.本稿では細胞を含有する液滴を電場によって分離する既存のセルソーター技術に替わる,マイクロ加工技術を基盤とした新しい細胞分離精製技術(オンチップ・セルソーター)について,その特長である,(1)微量サンプルのサンプル単位での使い捨て利用,(2)光学顕微鏡による細胞の微細構造直接観察と実時間1/200秒高速画像処理判別,(3)シースフロー中での電気泳動力を用いた細胞分離技術を中心に紹介する.
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