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多様化するCRISPRテクノロジー基盤的ツールから周辺技術まで,相乗的・多発的に進展するゲノム編集技術開発の現況を俯瞰する

佐久間哲史,赤瀬まりな
Tetsushi Sakuma/Marina Akase:Graduate School of Integrated Sciences for Life, Hiroshima University(広島大学大学院統合生命科学研究科)
10.18958/7381-00002-0001091-00

ゲノム編集を取り巻く昨今の技術革新は,さながらCRISPR-Cas9の発見を基点としたビッグバンのようである.最も汎用される化膿レンサ球菌由来のSpCas9には,変異体・融合体・分離体などさまざまな改変が施され,他種に由来するCas9やその他のCasタンパク質の発掘・改良もとどまるところを知らない.さらにはウイルスや真核生物に由来するRNA誘導型ツールも発見・開発され,「細菌や古細菌の獲得免疫に由来する」という前提に基づかないCRISPR関連システムも登場しつつある.これらのツールの利用法も多岐にわたり,DNA二本鎖切断に依存しない遺伝子改変法からゲノムワイドスクリーニング,転写調節,エピゲノム編集,染色体イメージング,RNAを基質とするアプリケーションに至るまで,百花繚乱の様相である.

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