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マイナーイントロンのスプライシング異常と発がん

Deciphering the mechanisms underlying carcinogenesis driven by aberrant splicing
雜賀 渉,井上大地
Wataru Saika1)2)/Daichi Inoue1)3):Department of Hematology-Oncology, Institute of Biomedical Research and Innovation, Foundation for Biomedical Research and Innovation at Kobe1)/Department of Hematology, Shiga University of Medical Science2)/Department of Hematology and Oncology, Graduate School of Medicine, Kyoto University3)(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター血液・腫瘍研究部 1)/滋賀医科大学医学部医学科内科学講座血液内科2)/京都大学大学院医学研究科内科学講座血液・腫瘍内科学3)
10.18958/7309-00001-0000539-00

マイナー(U12)イントロンは,全イントロンのうちわずか0.3%ほど(約700個)に過ぎないが,進化的に保存された特徴的な配列を有し,細胞の生存や恒常性の維持に不可欠な遺伝子のみに通常1つだけ含まれるイントロンである.マイナーイントロンの性質や存在意義は長らく謎に包まれていたが,近年そのスプライシング異常と発がんとの関連が明らかになってきた.本稿では,この希少なイントロンとそのスプライシングを制御するメカニズム,そしてスプライシング異常から腫瘍化に至る機序についての最新の知見を紹介する.

マイナー(U12)イントロン,ZRSR2,LZTR1,intron retention,EXITS

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