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古代ウイルス学:ウイルスと生物との攻防・共存の歴史を紐解く

Paleovirology: deciphering the coevolutionary history of virus-host
川崎純菜,堀江真行
Junna Kawasaki1)/Masayuki Horie2)3):Faculty of Science and Engineering, Waseda University1)/Graduate School of Veterinary Science, Osaka Metropolitan University2)/Osaka International Research Center for Infectious Diseases, Osaka Metropolitan University3)(早稲田大学理工学術院1)/大阪公立大学大学院獣医学研究科2)/大阪国際感染症研究センター3)
10.18958/7323-00001-0000572-00

生物は多くのウイルス感染症と戦ってきたが,いつから・どのような攻防を繰り広げてきたのかについては謎に包まれている.この理由は,ウイルスは物理的化石を残さないため,数万年より前のウイルス感染を解析することは不可能だったからだ.しかし,生物ゲノムに潜むEVEを「ウイルス分子化石」として解析することで,ウイルス感染の歴史を辿ることができる.本稿では,EVE研究によって明らかとなった「ウイルスと宿主の攻防・共存の歴史」を紹介し,大規模シークエンス時代における古代ウイルス学研究の展望について議論する.

古代ウイルス学,ウイルス分子化石,抗ウイルス因子,ゲノム進化

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