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若手研究者ネットワーク・ガイド:あなたに合った研究コミュニティを見つけよう

宮本道人,西村亮祐
10.18958/6503-00002-0000861-00

「若手研究者のネットワーク」と言ったら,皆さんはどんなものを想像するだろうか? 大学内での交流? インターネットを介した情報共有コミュニティ? それとも「若手の会」「夏の学校」など,具体的な言葉を思い浮かべる方もいるかもしれない.本稿では,そうしたさまざまなコミュニティを広く紹介していきたい.タイトルの通り,「あなたに合った研究コミュニティを見つけよう」というのが,本稿の一番の趣旨である.こうしたコミュニティの在り方は本当に多様で,正直に言うと,筆者のわれわれにも全貌が把握できているとは到底言えない.とはいえ,われわれはいろいろな若手研究者コミュニティに参加してきた経験があり,これまで2人で議論しながら,「コミュニティの探し方」「それぞれの特徴や種類」「運営方法」「立ち上げ方」「役に立たせる方法」「長期的な関係をつくるコツ」など,さまざまな面から若手研究者ネットワークを考察してきた.そんな経験を活かし,本稿では具体的な研究コミュニティを紹介するだけでなく,そこから形成されるネットワーク,つまり人脈と,さらにその「人脈の活かし方」まで射程に入れて議論してみたい.若手研究者が生き残っていくために,人脈は重要なファクターの一つだ1).「コネ」のような言い方で思い浮かぶような黒い意味ではなく,視野を広げたり,力を合わせられる仲間ができたりといった意味で,人脈は研究に大きく貢献する.人脈は,「つくる」だけではなく「活かす」必要があるが,社会経験の少ないわれわれ若手研究者にとって,そのノウハウを知る機会はあまり多くはない.上に書いた「人脈の活かし方」というのは,そういうことを指していて,若手自身が現場でリアルタイムに蓄積しているノウハウをまとめることには大きな意義があると考えている.

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