スマホで読める実験医学
550円

細胞移植療法に伴う腫瘍化リスクをどのように考えるべきか

Therapeutic use of pluripotent stem cell and cancer
小川誠司
Seishi Ogawa:Department of Pathology and Tumor Biology, Kyoto University(京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学講座)
10.18958/6503-00001-0000853-00

多能性幹細胞をソースとする再生医療に際しては,ゲノムの不安定性や未分化細胞の残存などに起因する腫瘍化のリスクが懸念される.ヒトにおけるこうした腫瘍化のリスクについては,生物学,特にがん細胞生物学の成果に基づくさまざまな推定は可能であるとしても,最終的には臨床試験を通じて評価する他はない.腫瘍化を予測する十分に検証されたマーカーが確立されていない現状においては,生体内,生体外における機能的な造腫瘍能の評価のみならず,染色体・ゲノムの不安定性に基づく異常クローンの検出などを用いたリスクの予測は重要であろう.その実施にあたっては,事前の動物における安全性評価はいうまでもなく,臨床試験においてリスクを可能な限り回避するための高い倫理的規範に基づいた適切な規制と誠実な努力が必要であろう.

多能性幹細胞,腫瘍原性,ゲノム不安定性,未分化細胞残存

この記事は有料記事です

(残り約4,800文字)

  • 【スマホで読める実験医学】細胞移植療法に伴う腫瘍化リスクをどのように考えるべきか
    550円