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マルチオミクス統合解析から見えてきたがん微小環境

Understanding tumor microenvironment through integrative multilayered omics
大澤 毅
Tsuyoshi Osawa:Division of Nutriomics Oncology, Research Center for Advanced Science and Technology, The University of Tokyo(東京大学先端科学技術研究センター ニュートリオミクス・腫瘍学分野)
10.18958/6569-00001-0000911-00

固形がんでは,不完全な血管構築や血流不全から引き起こされる低酸素,低栄養,低pHのがん微小環境が存在し,エピゲノム,トランスクリプトーム,プロテオーム,メタボロームといったさまざまな階層のオミクス変動を介して,転移・浸潤能の促進,治療抵抗性の獲得などのがん悪性化に寄与することが知られている.そのため,酸素や栄養の供給が不足した環境に適応したがん細胞に特異的な鍵因子に対する創薬標的を見つけることが重要である.本稿では,このような粗悪ながん微小環境で中心的な役割を果たし,最近注目を浴びているがん代謝機構についてマルチオミクス解析の視点から,この創薬標的となりうる分子に迫る研究について概説したい.

メタボローム,腫瘍微小環境,低酸素,低栄養,低pH,酢酸代謝

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