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体温調節とストレス性交感神経反応の脳内メカニズム

Brain mechanisms of thermoregulation and stress-induced sympathetic responses
片岡直也,中村和弘
Naoya Kataoka1)2)/Kazuhiro Nakamura1):Department of Integrative Physiology, Nagoya University Graduate School of Medicine1)/Institute for Advanced Research, Nagoya University2)(名古屋大学大学院医学系研究科統合生理学分野1)/名古屋大学高等研究院2)
10.18958/7175-00001-0000314-00

心理ストレスや情動は脳の皮質辺縁系で処理され,その信号が自律神経系などの生体調節を担う視床下部や脳幹に作用することで,体温,血圧,脈拍の上昇などの「心身相関反応」を引き起こす.しかし,皮質辺縁系と視床下部をつなぐ心身相関の鍵となる神経路は不明であった.われわれは視床下部から延髄への興奮性の神経路が心理ストレスによって活性化し,交感神経系を介して体温や脈拍を上昇させることを見出した.さらに,視床下部へストレス信号を入力する大脳皮質のニューロン群を発見し,この神経路がストレスによる心身相関反応を駆動することを明らかにした.

交感神経反応,熱産生,心理ストレス,心身相関

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