薬物が薬物アレルギーを引き起こす過程の最初には,感作成立段階が存在する.実際には,小分子薬物のすべてが通常考えられているようにハプテンとなるとは考えづらい(臨床的にも反応時間の点でも).Pichlerらは近年p-i conceptと称して,小分子が抗原提示細胞内での処理を経ることなく,共有結合を介さずにMHCとTCRを仲立ちすることで特異的T細胞を活性化するという図式を提唱している(pharmacological interaction with immune receptors concept).