ミトコンドリア機能のメンテナンスにはさまざまなしくみが用意されている.ミトコンドリア構成タンパク質の選択的分解や酸化ストレスの除去機構といった分子レベルの機能維持だけでなく,ミトコンドリアが持つ融合・分裂といった膜ダイナミクスを利用した傷害の相補や隔離,さらには損傷ミトコンドリアそのものを消化してしまうオートファジー(マイトファジー)といったシステムが存在していることが近年明らかになりつつある.ミトコンドリア機能維持のために,まさに大工場さながらの『品質管理』が働いている.