P-糖タンパク質は細胞膜を6回貫通する膜貫通領域と細胞内のATP結合部位のユニットが2つ連続する構造をしている.P-糖タンパク質はがん細胞に限らず,正常細胞でも発現していて,物質透過の関門として機能している.がん細胞においてP-糖タンパク質は,ドキソルビシン,ビンクリスチン,パクリタキセル,エトポシドなどの抗がん剤をATP依存性に細胞外に排出する薬物トランスポーターとして働いている.