SCIDマウスは自然発症の突然変異体で,常染色体劣性の遺伝様式をとる.このマウスはT・B細胞がないことから,重度の免疫不全を呈し,したがってその異種細胞,組織の移植に対する拒絶が少なく,ヒトの正常造血細胞ですら移植可能である.生着率の向上のために,NOD/SCIDマウスの開発や改良(B2-microglobulinやIL2R共通γ鎖のノックアウトとの掛け合わせ)が行われている.