現在,炎症性腸疾患は活動期と臨床的寛解期,内視鏡的寛解期にわけて診療されている.血便や腹痛が消失(臨床的な寛解)していても,内視鏡を行うと潰瘍が残存している場合がある.残存潰瘍が消化管狭窄や炎症再燃の原因となりうることから,潰瘍や粘膜の炎症所見の消失(粘膜治癒)をめざした治療戦略が望まれる.