マウスのモノクローナル抗体は,異種タンパク質なのでそのままでは医薬品としては使用しづらい.そこで,遺伝子工学的手法を用いて必要部分のみを残して他の部分をすべてヒトの抗体タンパク質で置き換えてヒト様抗体につくり変えることを指す.抗体の可変領域は,抗原との結合に関与する相補性決定領域(CDR)と,それらを構造的に支えているフレームワーク領域(FR)によって構成されている.このCDRが必要部分であり,H鎖,L鎖のそれぞれに3個ずつ存在し,抗原に対する親和性と特異性を担っている.