ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP).PARPは,核DNAに生じた一本鎖切断端を認識してDNAに結合する.核DNAに結合したPARPは活性化され,ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を基質としてPARP自身やDNA修復関連タンパク質にADP-リボースを付加し,ポリ-ADP-リボシル化を引き起こす.通常,ポリ-ADP-リボシル化はDNA修復反応を活性化するが,過度のPARPの活性化はNAD+とATPの枯渇,さらにミトコンドリアに局在するアポトーシス誘導因子(AIF)の切断を誘導する.切断されて細胞質に放出されたAIFはミトコンドリアに局在していたエンドヌクレアーゼGとともに核に移行し,核DNAの断片化(〜50 kb程度)を引き起こし,細胞死を誘導する.